人の魅力って?

2019-03-12 13:56 | by 渡辺(主担) |

 ドイツの市場調査会社が世界22か国で「外見」に関するアンケート調査をしたところ、自分の外見に満足していない人がもっとも多かったのは日本だったそうです。いかに日本人が外見を気にするのかが見えてきます。

 この『顔ニモマケズ-どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語』(水野敬也 文響社 2017年)では、さまざまな病気や症状により、顔に何かしら症状を抱える人たちが紹介されています。子どもの頃からいじめられた人、自分の殻にひきこもってしまった青春時代、進学や就職をする際の壁など、人と違うことでどれほど深い悩みや葛藤をかかえながら人生をおくってきたのかが伝わってきます。

 しかしそれだけであれば、読者は”やはり人は外見が大事だな”、と思うでしょう。しかし現在は結婚をして家族と幸せに過ごす人もいれば、職場で欠かせない人材として力を発揮している人もいます。

 私たちは誰もが大なり小なりコンプレックスをもって過ごしています。でも、この本の9人の人たちの自分との向き合い方や気の持ち方、人との出会い方などを知ると、けして彼らが特別な人たちというわけではなく、自分と同様に悩みを抱える普通の人たちであると親近感がわいてきます。
 この本は中1の学年主任の先生が、ぜひ生徒に紹介したいということで入りました。中高生にとって、自分が今抱えている悩みや問題も、違う角度から見つめてみる機会となるかもしれません。
(東京学芸大学附属国際中等教育学校:渡邊有理子)

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