子どもの興味から学ぶ

2011-12-12 17:51 | by 小野寺(主担) |

朝休み、小学2年生の男の子Mくんが本を探しにやって来ました。
 「ルドンという人の絵をみたいんです。」
 
「ルドン?」 「ロダン?」 「絵を描いた人?」 「彫刻をつくった人?」
「その名前はどこで聞いたのかしら?」 などなど
 
まずはMくんにインタビューを。
けれども、その場では解決できず、少し時間をもらうことにして調べてみることにしました。
 
次の休み時間にMくんがまたやって来ました。
でも、まだ返事の準備ができていません・・・
 
すると、Mくんは小さな紙を見せてくれました。
 
「こんな絵を描いた人だよ。」
 
紙には、クモのような、まっくろくろすけのような絵が鉛筆でサラサラと描いてあります。
 
Mくんのスケッチと「ルドン」という名前を頼りに、インターネットで調べたり、図工の先生にも尋ねたりして、探し当てたのはオディロン・ルドンというフランス象徴主義の画家。
Mくんが描いた絵は「笑う蜘蛛」(1881年、オルセー美術館)。
 
ルドンのいろいろな絵を見てみたいという希望だったので、画集を探すと学校には所蔵がありません。
Mくんの家の近所にある公共図書館には所蔵があることが分かり、図書館にはよく行くというので、
今回はその所蔵情報を提供し、公共図書館のカウンターで尋ねるように伝えました。
 
 紹介した資料は
   『オディロン・ルドン―パステル画』 ロズリーヌ・バクー著 本江邦夫訳 美術出版社
 
   大人向けの画集です。
   現物を見ていないので、小学2年生のMくんの希望にどのくらい叶うでしょうか。
 
数日後、Mくんは「図書館に行って絵を見てきました!」とうれしそうに報告にきてくれました。
 
ちなみに、
この記事を見た附属世田谷中学校の司書 村上さんによると、
オディロン・ルドンについては
  『オディロン・ルドン―自作を語る画文集 夢のなかで』がおすすめとの情報提供がありました。
     (オディロン・ルドン画文 藤田尊潮訳編 八坂書房)         
 
     
これから私も手にとってみようと思います。
 
それにしても、子どもたちの興味は、本当に幅広い!
ルドンという画家、知りませんでした・・・
レファレンスに答えながら、私もまたひとつ新たなことを学びました。
 
(東京学芸大学附属大泉小学校 小野寺愛美)

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