原爆「黒い雨」について

2016-03-02 12:57 | by 渡辺(主担) |

 
 
 中学3年生の男子からこのようなレファレンスがはいりました。
「井伏鱒二の『黒い雨』にでてくる黒い雨がどのような雨だったのか、科学的書かれている資料を探しているんです。原爆関係の資料はたくさんあっても、黒い雨について詳しく書いてあるものが見つからなくて・・・」

ということで、まずは館内にある原爆関係の資料をまずは調べてみました。
 しかし、原爆について書かれている書籍には、放射線、爆風、衝撃波、熱線について書かれていても、黒い雨について詳しく書いてある資料がなかなか見つかりません。
かろうじて『原爆災害ヒロシマ・ナガサキ』(岩波現代文庫)には、雨の降った範囲や雨の性質についてはふれていました。しかし情報量として複数の資料があったほうがいいと思い、公共図書館からいくつか原爆関係の資料を借りてみました。

するとその中の1冊、『共同研究広島・長崎原爆被害の実相』沢田昭二著1999年(新日本出版社)には、第4章に「原爆後の“黒い雨”と降下物 という項目があり、宇田道隆の「気象関係のヒロシマ原子爆弾被害調査報告」という研究をもとに、32ページにわたってまとめられていました。

この資料を生徒に紹介してみると、
「これなら詳しいし、それほど難しくもないので読んでみます!」と大喜び。
さて、どのよう研究にまとまったのか楽しみです。

(東京学芸大学附属国際中等教育学校:渡辺)

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