月替わりで「10の学習者像」を1つずつ紹介しています

2026-06-13 14:58 | by 富澤 |

 学大附属大泉小は、国際バカロレア(以下IB)のPYP認定校です。「より良い、より平和な世界を築くことに貢献する人間を育てる」ことを目指すIBの理念に基づき、認定校には目標とすべき「10の学習者像」 が共有されています。

 5月に、校長先生から「これから毎月、10の学習者像の1つを取り上げて、全校朝会で話したり、学校通信でも紹介したりしていくので、図書館でも協力してほしい」とご相談いただきました。それならば、と、コーナーを作って毎月更新することにしました。

  6月のテーマは、「知識のある人(Knowledgeable)」。IBの資料では、「知識のある人」について「私たちは、概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を探究します。地域社会やグローバル社会における重要な課題や考えに取り組みます。」とあります。なかなか抽象的で難しい説明ですが、ただ単純に「もの知り」というだけではなく、学んだ知識を、場面に応じて適切に活用するイメージが浮かびます。また、新しくて難しい課題にも果敢に、そして柔軟に取り組もうとする姿勢も感じました。

 

 さて、では誰が、そしてどんな本が、この人物像にふさわしいでしょう?伝記の棚を眺めながら、アインシュタイン、ダーウィン、ダ・ヴィンチ、ガリレオ、南方熊楠などについて書かれた本を取り出します。マララ・ユスフザイも良いのでは?手塚治虫は?と、頭はフル回転。フィクションの棚からは、ドリトル先生(注1) は外せないし、諸葛亮孔明 (注2)も紹介しよう。最近新しく入れた『合言葉はフリンドル!』(注3) も良いのでは?という具合に、思いつくまま本を並べてみました。子どもたちからは、表紙に引き付けられたのか、「ここからも借りていいの?」「ドリトル先生、読んだことあるよ!」「フリンドルって何?」といった声もあり、反応はまずまず。

 

 読み聞かせを行っているスペースにコーナーを設置したので、図書の時間にも紹介します。「心を開く人(Open-minded)」がテーマだった先月は、3年生に「小さいお嬢さまのバラ」(注4) の読み聞かせを行い、意外なほど良い反応を得ました。今月も、何か読み聞かせに向く本がないかと、目下探索中です。棚を歩き回って考えていると、これまでは手に取る機会のなかった本、知らなかった事実、ハッとするような記述が目に入ってきて、思わぬ出会いや発見があります。自然、それぞれの人物像についての解像度もあがっていくように感じるもの。「展示作りは、『概念的理解』そのものだな」と嘯きながら、悩ましくも面白い作業に勤しんでいるうちに、私も「知識のある人」になれるでしょうか・・・。

                 (東京学芸大学附属大泉小学校 司書 富澤佳恵子)


【注】

1)ロフティング著、井伏鱒二訳『ドリトル先生アフリカゆき(ドリトル先生物語全集 1)』(岩波書店、1986)ISBN:4-00-115001-8等

2)唐亜明文、于大武絵『十万本の矢(三国志絵本)』(岩波書店、1997)ISBN:4-00-110636-1等

3)アンドリュー・クレメンツ著、田中奈津子訳『合言葉はフリンドル!』(講談社、2025)ISBN:978-4-06-541415-6

4)エリナー・ファージョン作、石井桃子訳『本の小べや2—天国を出ていく(岩波少年文庫083)』(岩波書店、2001)4-00-114083-7


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