カンボジアを知ろう ~字を知ることは、生きること~ 

2013-12-15 06:27 | by 中山(主担) |

 「字を知ることは、生きること」

2013年11月12日 4時間目
東京学芸大学附属小金井小学校 図書館にて、4年生がシャンティ国際ボランティア会の広報課課長 鎌倉幸子さんから、カンボジア支援のお話を聞きました。

カンボジアという国では30年近く内戦が続き、
教育関係者が200万人も亡くなっていること、
字を読める人が4人に1人もいないそうです。

何時間もかかってお医者さんに診てもらった帰り道、
またおなかが痛くなって休んでいたという親子に
鎌倉さんが出会いました。
その時に、頼まれたお願いは
車でまたお医者さんの所に連れて行ってくださいということではありませんでした。
なんと…
 
お医者さまの書いたお薬のメモを読んでくださいということだったのでした。

「おなかが痛くなりました。さてどれを飲みますか。」と聞かれました。
4年生の手には、3つのコップの絵がプリントにあり、
カンボジアで使われているクメール語が書かれています。
もちろん、あてずっぽうに手を挙げる子どもたち。
 お水と 毒と お薬でした。
読めないことが、どういうことかを少しだけ体験しました。

学校や本や教員が足りなくて、
鎌倉さんたちは 学校をつくり、図書室をつくったり、
字を教えたり、お話しを楽しんだり、
許可を得て現地の人が読めるクメール語のテープを日本の絵本にはって送ったり、
絵本をつくる人を育てたりしてしています。
 http://sva.or.jp/activity/oversea/cambodia/introduction.html

おわりに 鎌倉さんが 絵本『おおきなカブ』をクメール語の読み聞かせてくださいました。
繰り返しでわかってきた子どもたちは、鎌倉さんと声を合せていくことができるようになり、
最後はとても大きな声で一緒に読むことができました。

鎌倉さんは東日本大震災図書館事業アドバイザーもされていて、
東北支援も行っていらっしゃいます。
2014年1月には ちくまプリマー新書 から
『走れ! 移動図書館: 本でよりそう復興支援』(筑摩書房)を 出版される予定です。



【東京学芸大学附属小金井小学校の読書月間】

 11月3日 文化の日を真ん中に 前後2週間は読書週間です。
始まりの10月27日には「学校読書調査」の概要が、毎日新聞に掲載されます。
今年の5月1ヵ月に読んだ本の冊数は、小学生(4年生以上)10,1冊、中学生4.2冊、高校生1.7冊です。

 附属小金井小学校では、
10月に色別対抗の運動会で盛り上がった後、
11月を心を落ち着けて本と向き合う読書月間としています。
毎年、3人のゲストをお迎えしての特別授業を
保護者による図書館ボランティアの研修を兼ねて、行っています。
 2013年11月は
  1年生に「食べること」をテーマにお話会を、日本子どもの本研究会・東京子ども図書館の塚原眞理子さんに
  4年生にカンボジア支援の話を、シャンティ国際ボランティア会の鎌倉幸子さんに
  6年生に本づくりのお話として、『炎のひみつ』について、さ・え・ら書房さんにお願いしました。
  (『炎のひみつ』は、下にスクロールすると「広報 お薦めの1冊」に関連記事として掲載。

ひろく、本や出版、識字や読書といった視点で、ゲストをお迎えしています。
これまでにも
偕成社『はやぶさ大図鑑』、学研『ほんとのおおきさ動物園』、岩崎書店『色の大研究』、ポプラ社『総合百科事典 ポプラディア』など、著者とはちがった編集者のみなさまのお仕事を、出版社、フリー編集の皆さまのご協力で、子どもたちに伝えていただいてきました。
語りも、
元品川区立図書館長 佐藤凉子さん、紀州を故郷とする語り部 矢部敦子さん、公共図書館司書になった東京学芸大学卒業生 谷脇静香さん、附属大泉小司書 小野寺愛美さん にきていただきました。

これからも、
出版・識字の文化 語りの文化を子どもたちが知る機会として 続けて参りたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

                            (東京学芸大学附属小金井小学校図書館 司書 中山美由紀)

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