読書感想文課題図書 『Wonder』のこと

2016-07-08 03:16 | by 中山(主担) |

 第62回 青少年読書感想文コンクール 小学校高学年 課題図書『Wonder』(R・J・パラシオ作 中井はるの訳 ほるぷ出版 2015年)の中には

色々な本の名前や、聞いたこともない名前が出てきたりします。 

知らなくても本を読むことはできますが、知っていた方が分かりやすい場合もあります。
                           

 例えばハロウィンの場面では、ボバ・フェットの姿で来ると言っていたオーガストがゴーストフェイスの姿で出かけた場面、本当はどんな姿だったのか、想像するだけでは分かりませんよ
気になる人は事典などでもう少し調べてみるのも面白いでしょう。

(文末資料「ライブラリナビ」より)
  

 参照: 月刊「子どもの本棚」No. 568  2016年2月 新刊紹介 『WONDER』




 Wonder』の感想文を書く子ども達に向けて補足資料を作ろうと思ったのは、同僚の司書仲間でも「知らない名前がたくさん出てきて何が何だかわからなかった」(だから前半が読みにくい)という意見があったことと、
彼我のポップカルチャーの差や子ども達の映画等の知識も限られており、読み進める上で「わからないものは飛ばして読む」という作業が(良し悪しではなく)当然発生すると思われたことがきっかけです。

 

 そして、ちょっと調べ始めたら些細な事柄が興味深く面白くついつい項目分けして備考も付けて、とはまってしまいました。

 音楽や格言の項目に出てくる“ポリフォニック・スプリー”の「光と日」youtubeで視聴してみたらそのあまりの姿(白く長いスモック風の衣装を着てお花畑を歌いながら走り回る映像)にカルト集団かと疑われたというウィキペディアの一節に頷いてしまったり、それと同じ修了式に、「アンダー・ザ・プレッシャー」(youtubeの動画では冒頭が日本の満員電車の昇降風景)が流れているというセンスに、これはただ歌詞で選んでいるのかな、作者はナタリー・マーチャントの“Wonder”(これはしっとりした曲)にインスパイアされてこの小説を書いたんだよね?とこちらの頭の中はぐるぐる状態。

 

また「海のシェン」という本についてはニューベリー賞を受賞したアーサー・ボウイ―・クリスマンが書いているのですが、未訳の為私の乏しい英語力で解説を見たところ、著者オリジナルの物語(知恵とユーモアに満ちた中国の民話風物語集)であるらしい…。とりあえず、kindleで試し読みが出来るのでダウンロードしましたが今のところ未読です。

「五次元世界の冒険」は川崎市立図書館に閉架で所蔵されていること、更に東京学芸大、白百合大など複数の大学図書館に所蔵されている確率が高いことが分かりました。現在、アナ雪の脚本家が映画化のため執筆中というネットの噂もあるため、

いつかアニメ映画として公開されるのかもしれません。主人公のメグは近眼で短気で頑固な少女だったという記憶があるのですが、数十年前に読んだきりなので正確さに欠けます。行方不明の父を友人と天才の弟と3人で探しに行くSFで気に入っていたのです。不機嫌な女の子が主人公なのがイイ!。


 枝葉末節はともかくとして、おそらく、ウチの小学校の児童が『Wonder』で感想文を書こうとするその時に、初めて読み飛ばしていた部分が気になるのではないか、そんな時のために備えになればと願いつつ作りました。


 *ライブラリーナビ まとめ 
LibraryNAVI_format_Word_ver. Wonder (改).pdf

 *本・格言・映画・歌 まとめ 
Wonder 資料 (1).pdf 
                   Wonder 資料 (2).pdf
                   Wonder 資料(3) .pdf

沼津市立第五小学校司書 平松 奈緒子

 



次の記事 前の記事