東京学芸大学特別開発研究プロジェクト
研究の概要
本研究では、知的障害特別
支援学校高等部の
理科授業
パッケージを開発しています。
 本研究は、東京学芸大学と東京学芸大学附属特別支援学校による教育実践研究プロジェクト(東京学芸大学特別開発研究プロジェクト)として令和2年度から実施しているものです。東京学芸大学附属特別支援学校高等部では、「理科」の授業を設定しているものの実験器具が不足していたり、専門的な知識も不足している状況でした。そこで、教員養成系大学である東京学芸大学の教員と共同研究をすることにより、知的障害特別支援学校高等部における理科教育の充実を図ったものです。研究にあたっては、アンケート実施に際して全国の特別支援学校の先生方にもご協力をいただきました。
 本リーフレットでは、これまでの研究報告を掲載いたします。皆様の日々の教育活動の参考になれば幸いです。
研究の背景
 理科で学習する内容は日常生活との関わりが深く、観察実験を通して探究的に学ぶプロセスは生きる力に様々な形で結びついています。知的障害特別支援学校高等部においてもそれは同様であり、さらにいえば、生徒の障害による学習上、又は生活上の困難を改善・克服し自立を図るために必要な知識、技能、態度を養う上で、理科は具体的な現象を対象に体験的に、かつ、国語や数学で学んだことを生かしながら問題解決学習が行えることなどから、本来特別支援学校でこそ重視されるべき教科です。
 しかし実際には、作業学習等と合科的に扱われていたり、教科として設定されていても、本来の専門が理科以外の教科の教員が担当することがある、特別支援学校の理科に関する論文や本はほとんどなく参考にできるものが少ない、生徒にとって適切な実験器具が揃っていない、などの理由から、理科という教科の特性が十分に活かしきれていないという課題があります。
研究の目的
  本研究では、知的障害特別支援学校高等部において「自然の仕組みやはたらきなどについての理解を深め、科学的な見方や考え方を養うとともに、自然を大切にする態度を育てる」という目標を着実に達成できる理科の授業パッケージ【指導案、ワークシート、実験器具、実験マニュアル、支援ツール】の開発を行うことを目的としました。また、全国の高等部の実態を明らかにするため、質問紙調査を行い今後の研究の参考とすることとしました。