力で挑む? 頭脳勝負?
2011-11-11 15:51 | by 小野寺(主担) |
しばらく入手できなかった『小さなバイキングビッケ』が、
版元を変えて待望の復刊!
「ビッケ」を中心に組み立てたほんの小さなブックトーク。
来週、5年生の図書の時間にしてみる予定です。
ブックトーク 「力で挑む? 頭脳勝負?」
海賊と聞いてどんなことを思い浮かべますか?
『ピーターパン』に登場するフック船長、『宝島』に出てくるジョン・シルバー・・・。
物語には悪名高い海賊が何人も登場しますが、
実は、こうした海賊は実在して、大昔から世界中の海で暴れていたというのです。
『海賊事典』(「知」のビジュアル百科)
リチャード・プラット 著 朝比奈一郎訳 あすなろ書房
金銀財宝、獲物を捕えるために欠かせない武器の数々、相手を威嚇する警告の信号である海賊旗などが
写真で紹介されています。 その多くは、イギリスの博物館に展示されている貴重な品々だそうです。
ところで、「バーベキュー」という言葉、海賊に関係があることを知っていますか。
この本には、私たちのくらしに関わる海賊の意外なエピソードも載っています。
海賊のくらしをのぞいてみたい人におすすめの1冊です。
「バイキング」という言葉、これも海賊に関係のある言葉なのです。
ホテルの朝食などで好きな料理をお皿に取って食べる食事方法のことではありません。
バイキングとは、ヨーロッパの北の海に出没していた海賊たちのこと。彼らも周囲の国々から恐れられていたのです。
『小さなバイキングビッケ』
ルーネル・ヨンソン作 石渡利康訳 評論社
この物語の主人公ビッケも、バイキングの子どもです。
お父さんはフラーケ地方のバイキングの族長。偉大な戦士で、やりを投げさせたら右に出る者はいません。陸地から離れ島にいる敵にやりを命中させるほどです。
ところが、このビッケは『海賊事典』に出てくるような恐ろしい海賊ではありません。
争いごとはきらい。オオカミに追いかけられれば、いち早く木の上へ逃げるありさま。
でもビッケはかしこい男の子だったのです。いつも、持ち前の知恵で危機から脱出!
そんなビッケが、お父さんや仲間のバイキングたちと船に乗って航海に出ることになりました。
敵の城に忍び込めば、落とし穴にはまってしまったり、牢屋に閉じ込められたり・・・。でも、ビッケがいればだいじょうぶ。
ビッケの頭脳が仲間を救う様子にドキドキしながらも、おかしくて思わず笑ってしまう場面もたくさんあって楽しい物語です。
ビッケの物語が気に入った人には『ビッケと赤目のバイキング』もあります。
では、ここでみなさんにもちょっと頭を使って考えてもらいましょう。
『どうしてかわかる?』(世界のなぞかけ昔話1)
ジョージ・シャノン文 福本友美子訳 晶文社
これから問題を出します。問題はお話になっています。最後までよく聞いて、頭をひねって考えてみてください。
(←この中から2つを読み聞かせして、みんなに考えてもらう)
問題は他にも載っています。
もっと挑戦してみたい人には『あたまをひねろう!』『やっとわかったぞ!』とシリーズがあります。
ぜひ試してみてください。
(東京学芸大学附属大泉小学校 小野寺愛美)