図書館に何が? 図書館で何が?
2011-12-08 14:40 | by 井谷(主担) |
読書月間(11/7~12/2)を前に、読書週間にもよせて(10/27~11/9)、
「本」のブックトークをしました。
2学期に入って9月に、5年生はたくさんのふしぎポスターをしたので、
『本のれきし5000年 たくさんのふしぎ傑作選』 辻村益朗 作 福音館書店
から入りました。
本とは?
「ものごとや自分の考え方、気持ちなどを文章や絵であらわし、
書き写したり印刷してひとまとまりにしたもの」だそうです。
この本を作るのに必要なものは?
「紙」ですね。
でもまだ紙の無かった頃は?
エジプトでは5000年前、パピルスが使われました。
エジプトがパピルスの輸出を禁止し、代わりに使ったのは・・・
ヒツジ、ヤギの皮。これで作られたのが「羊皮紙」です。
アジアのインド・スリランカ・タイなどでは、生きもののいのちをとってはいけないとされているので、
ヤシの葉をつかったそうです。
中国では古くから亀の甲羅やウシの骨に刻んだ文字を「甲骨文字」と言いました。
では、紙はどこで発明されたのでしょうか?
中国ですね。ここから紙の作り方が世界中に伝わったそうです。
ところで、エジプト・インド・中国と見てきましたが、
世界でもっとも古くから文明が起こったとされるもう1つのところ、メソポタミアと呼ばれるところがあります。
今のイラクの辺です。
そこでは草ではなく、動物の骨や皮でもなく、土・粘土で本を作りました。
粘土にアシのくきで形をつけて文字にしてね。
今から140年ほど前、ニネヴァというところで、たくさんの粘土板が発見されたそうです。
そこはなんと、メソポタミア時代の図書館のあとだったそうです。
すごいですね。
こんな古い時代から図書館があったのですね。
この地域を地図で見ると、2つの河がペルシャ湾に注ぐあたりに
「バスラ」という港町があります。
今度は現代のここの図書館のおはなしです。
2003年のイラクで・・・といえば「イラク戦争」ですね。
この時のここバスラで、ニューヨークタイムズの通信員が信じられないような話を聞きます。
そしてそれを世界に伝えました。
そのことを書いた本です。
『バスラの図書館員 イラクで本当にあった話』 絵と文 ジャネット・ウィンター
(全部読み聞かせ。作者のおぼえがきも紹介)
こうして70%もの本を守ったイラクの図書館員の、本当にあったおはなしでした。
次は日本のある町での図書館員のおはなし、物語です。
『つづきの図書館』 柏葉幸子 作 講談社
「四方山市立図書館 下町別館」
山神桃さんは、ここに図書館員として仮採用された40過ぎのおばさんです。
実は東京に住んでいたのですが、離婚して、そのうえ会社が倒産して・・・
という時に、子どもの頃住んでいた市の役所の福祉課から手紙が来ました。
と、桃さんがここの図書館員になったいきさつを紹介して、
なんで次々に図書館員がやめていったかというと、
この図書館には、いろいろおかしな人があらわれるんです。
目次を読むから、あててみてください。
1、図書館へはだかで来てはいけません。
これは? はだかの王様
2、夜の遠吠えは禁止です。
犬ではありません。オオカミ。オオカミの出てくるおはなしは?・・・7匹の子やぎ
3、座敷童子だなんて思いません。
これは、うりこひめのあまのじゃく
4、幽霊と魔女がなかよしですか?
これはベソ幽霊と魔女のイーちゃん
この人(者?)たちがみんな、続きが知りたい、続きが知りたいと言うんです。
なんの続きかというと、話の続きではなくて、
その本をよく読んでた子どもたちのその後が知りたいというんです。
さて、わかるのでしょうか?
図書館員を主人公にした本でしたが、
最後に本や図書館が大好きな6年生の女の子のお話です。
『晴れた日は図書館へ行こう➀』 緑川 聖司 作 小峰書店
この続きが『晴れた日は図書館へ行こう② ちょっとした奇跡』 です。
図書館を舞台に、本をめぐっていろいろなことがおこります。
読みながら、図書館のこともよくわかるようになっています。
(東京学芸大学附属小金井小学校司書 酒井 由美子)