地震―もしもの時にそなえて

2011-08-11 15:08 | by 中山(主担) |

  9月1日は防災の日です。1923(大正12)年のこの日に起こった関東大震災では14万人もの死者・行方不明者が出ました。
 3月の東日本大震災を経験して思うところもいろいろある子どもたちに向けて、地震のブックトークをしました。6月に5年生に行ったものです。
 
 絵本『あしたは月よう日』 (長谷川集平 文研出版 1997年)の読み聞かせからはいります。
 普通の日曜日を過ごす神戸の人たち。最後まで読んでから表紙をあけた中とびらの文章を読みます。 「1995年―休日明け―阪神神戸を中心に大きな地震が…この絵本はその朝までおだやかなふつううの生活を送っていた方々にささげたいと思います…」 子どもたちがシーンとなってから告げます。
 「今日は地震についての本を紹介します。」
 
 絵本『アスカ』 (司 修 ポプラ社 2004年)
 とびらにも、最後にも「ありがとう わたしの生命(いのち)」とあります。「わたし」はアスカ。3歳の時、神戸から東京のおばあちゃんところへ来ました。アスカの描く夢の絵は橋。散歩をしていたらおばあちゃんは、橋に「ありがとうさん」と言って、アスカに話をしてくれました。…
 2つとも阪神淡路大震災(1995年)のお話でしたが、今年(2011年)3月の巨大地震にあった時、みなさんはどうしてましたか?
 
 1年1組の子どもたちが、学校で地震の勉強をしたその日の帰り道で、地震にあった…という絵本があります。
 
『じしんのえほん こんなときどうするの? 地震防災えほん』  (国崎信江・作、福田岩緒・絵 ポプラ社 2006年)
 「~ちゃんは ~で ~してました」 さて、どうしたでしょう?7人の子どもたちがでてきます。
 
 『あっ、じしん!』 (金子章・文、鈴木まもる・絵 学研マーケティング 2004年)
こちらは夜に家族でくつろいでいるときに、地震が起きます。「~では、こんなことがおこる」と、おとうさんが子どもたちに教えてくれます。
 
  (この2冊は幼稚園でもつかえると、附属幼稚園小金井園舎の先生もおっしゃっていました。)
 
    地震はどうしておこるのかを、モグラはかせやナマズ博士が教えてくれる本があります。
 
 『モグラはかせの地震たんけん』(ポプラ社 2006年) これは新潟中越地震(2004(平成16)年)を体験して『震度7―新潟中越地震を忘れない』(ポプラ社 2005年)を書いた松岡達英の本で、地震のしくみや地球のふしぎを教えてくれます。
 
 『知ってそなえよう!地震と津波―ナマズ博士が教えるしくみとこわさ』都司嘉宣監修、素朴社 2007年  2007年のソロモン諸島の津波をとりあげ、写真や図、グラフ、表などが入った子どもの研究向きの本ですが、さいごに「稲むらの火」という有名な津波のお話も載っています。その話は絵本にもなっていますね。
 
 津波については、6月に緊急復刊された本もあります。
 
 『改訂新版 津波ものがたり』 山下文男 童心社 2011年
  もとは1990年刊行で、少年の時(1933年)に大津波を体験した山下さんが、物語と津波についての心得や知識を交互につづります。年表の1983年以降のことと東日本大震災のことを新たに追加しました。
 
 今までの本は実際にあったことや地震や防災の知識の本でしたが、物語として「地震」をテーマにした本もあります。
 
 『ぼくのじしんえにっき』 八起正道・著 いとうひろし・絵 岩崎書店 1989年
 夏休みの宿題の絵日記を「ぼく」が書きはじめた数日後、塾で震度7の地震。予想もしなかったことが次々起こり、
それを絵日記として、つづっていくお話です。
 第六回福島正実記念SF童話賞大賞を受賞していますが、今年読むと身につまされることばかりです。
 作者の八起さんはほかにも
 『ふうせんの日』(原発事故がテーマ)という作品(ほるぷ出版 1992年)も書いています。
 
 『ぼくの街に地震がきた―大震災シュミレーション』名古屋裕、国崎信江、目黒公郎 ポプラ社 2006年
 これはコミックで、主人公はみんなと同じ5年生の入沢こうすけ君です。大地震が起きた時、学校で、街で、どんなことが起こるのか、そして避難所では…家の人たちや学校の先生や友達、近所の人は…わかりやすく書いてあります。後ろには地震対策のいろいろなことを知識として伝えてくれています。図書館には学年の先生の希望もあったので、各クラスで読めるように4冊を追加して、現在5冊あります。
 
 最後におうちの方々に読んでもらいたい本を紹介します。
 
 『増補版 地震から子どもを守る50の方法』 国崎信江 ブロンズ新社 2011年
作者の国崎さんは危機管理アドバイザー。どうしてなったかというと、「ようやく授かったこの子を、絶対に失いたくない。そして、自分もこの子を残して絶対に死にたくない!」と思ったから。いざという時の備えをどうしたらいいか、具体的に書いてくれています。養護の先生もお勧めの本です。今日紹介した本のいくつかは、実はこの国崎さんが一緒に作っていたりするのですよ。
 
 さて、みなさんは今、地震に備えてどんなことをしていますか?おうちに人とはなしあったり、決めたことがあったりしますか?
 
                              地震つなみ防災(小学生向け)ブックリスト (2).xls
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 実際には、分類の授業をしたばかりだったので、地震のしくみや地球のふしぎは4類、災害関係は3類、童話は9類、絵本は絵本コーナーに これらの本があることも言いながら行いました。
 3月に被災した児童・生徒が転入していれば気を遣うこともあるでしょう。そんなときは展示だけでも情報を伝えてあげたいと思います。
 
                                                      実践 東京学芸大学附属小金井小学校 酒井由美子
                                                                           文責 中山美由紀

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