国際バカロレアの学校図書館

2021-11-09 15:16 | by 渡辺(主担) |

 現在、国内で国際バカロレア(IB)認定校は167校あります。将来的に文部科学省では200校の設置を目標としているようです。
 東京学芸大学附属国際中等教育学校は、国公立の学校としては国内で最初にIB認定校となった学校でした。このため認定にむけた準備段階で、IB校の見学をするにしても、当時は私立またはインターナショナルスクールしかなく、施設、蔵書予算、図書館スタッフの体制のいずれをとっても圧倒されるばかりでした。このため、とにかく国立の学校としてできる範囲でIB校の学校図書館づくりをしていこう、と司書教諭と共に手探りではじめたことを覚えています。

 ところで国際バカロレア(IB)の公式文書では、学校図書館はすべての学びの中心と位置づけています。にもかかわらず図書館や司書の役割については詳しい言及はなく、IB教育を図書館からどうサポートをしていくのかが司書としてはわかりにくいものでした。
 ところがこの秋、ようやく日本語で翻訳された『国際バカロレア教育と学校図書館‐探求学習を支援する―』アンソニー・ティルク著 根本彰監訳 学文社 が発行されたのです。著者は日本のインターナショナルスクールでの学校図書館員経験も長く、IBにおける学校図書館については世界でも活躍されている方です。
 すでにIB認定校として運営している、またはこれからIB認定校をめざす学校図書館員にとって、IB校の学校図書館の概念や生徒および教員との関わり方、サポートのしかたについて書かれた本が発行された意義はとても大きいと思います。ちなみに今月11月23日に本の出版記念を兼ねたシンポジウムがオンラインで行われます。IB校ではなくてもIB教育にご関心のある方は、ぜひご参加ください。
(東京学芸大学附属国際中等教育学校:司書 渡邊有理子)

シンポジウム詳細
https://sites.google.com/view/ibdpandschoollibrary/
お申し込みはこちらから
https://forms.gle/BDxwASgMWvctcPFH8

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