『“グリムおばさん”とよばれてーメルヒェンを語りつづけた日々ー』

2021-12-09 15:39 | by 富澤(主担) |

 手に入れたいと思いながら、絶版になっていて叶わなかった本が、このほど新装再刊されました。

『”グリムおばさん”とよばれて
      ーメルヒェンを語りつづけた日々ー』
シャルロッテ・ルジュモン著
高野享子訳
こぐま社 2021年8月


臨床衛生検査技師として働く傍ら、メルヒェンを覚え、語ることを始め、やがて専門的な語り手として、40年以上も、グリム童話をはじめ、世界の昔話を語り続けた著者による半生記。野戦病院、小学校、キャンプ場など、さまざまな場所で語られたメルヒェンが、人々にもたらしたものの記録から、メルヒェンの力と、それを語ることの本質が見えてくる。

 読み聞かせをしたり、ストーリーテリングをしたりする者を勇気づけ、活動を続ける意欲を喚起してくれる1冊です。著者が、ある校長先生から伝えられた次の言葉が必要な日が、私たちにもあるのではないでしょうか。
  "大勢いる子どもたちの中で、少なくとも、必ず一人は、あなたのお話から、何か忘れることのできないものを受け取っていることを信じてください。何かすばらしいーそれも多分、その子の全生涯にわたるものを。"(pp.21-22)
      
(東京学芸大学附属大泉小学校司書 富澤佳恵子)

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