地図リテラシーを高めよう

2022-03-08 12:34 | by 岡田(主担) |

 社会科の学びが大きく変わりました。特に地理は本校において、1年次の6月に行われるフィールドワークとしての「地理実習」、3学期に行われる1年間のまとめとしての探究授業で年間を通して図書館を活用します。図書館授業の際に司書からは「地図を活用していますか」と再三生徒に問いかけます。往々にして資料を活用して探究学習を進めているうちに「歴史」に学習内容が傾いてしまう生徒が見受けられるからです。データとして地図を読み解かなければ地理の学習にはなりません。しかし、地図を読み込むことは容易なことではありません。地図の楽しさや奥深さがわかり、地図リテラシーが高まる本を以前から探していました。そこで今回購入したのが『地図の事典』です。


『地図の事典』日本地図学会 2021 朝倉書店 ISBN:978-4-254-16358-2 448.9チ

 授業に来た教員も「実はこの事典は自分でも購入しました。生徒に是非読んでほしいです。推薦をしたいので、POPを書きます」と言ってくれました。今現在、館内で教員が書いたPOPと一緒に新着図書コーナーに展示しています。教員の推薦は司書にとって心強く、生徒には授業への興味を引き出します。


教員が推薦したい本を、一足先に購入するのも図書館活用には大切なことの一つだと考えています。
以下に本校の入学準備期における地理の学習上の留意点を添付します。
新一年生が何を学ぶべきかがわかると選書内容も深まります。
皆さんも教務や探究担当の教員に次年度の学びを尋ねてみてはいかがでしょうか。

地 理
<地理A>
 地理は、地表のさまざまな事象を総合的に理解する学問である。
 本来は、野外に出て景観を観察しながら、それぞれの事象の説明をしたり、分析・考察したりしたいところであるが、時間の制約等があるため、教室内で資料集や文献等の写真を用いて学習する。唯一、野外での授業として1学期中間考査後に地理実習があり、一日かけて東京都心部を歩きながら景観観察等の課題を行う。
 高校の地理の学習では、地理的事象の特色と地名を単に暗記するのではなく、それぞれの事象とその背景にある自然的・人文的要因、地理的位置をあわせて論理的に理解することが必要である。したがって授業では、地理的な理解はもちろん、歴史や地学など他の分野の知識も生かしながら総合的に学習することが求められる。
 新入生諸君には、春休み中から、旅行に出かけた際には行った先の景観を意識して観察したり、旅行先やニュース等で聞いた地域等を地図帳で確認したりする作業をこまめに行い、地図と親しむ習慣をつけてほしい。

             (東京学芸大学附属高等学校 司書 岡田和美)

次の記事 前の記事