教育現場の「金融教育」に役立つ金融庁HP
2022-04-14 13:43 | by 富澤(主担) |
今後、この「広報」の欄では、「紙の資料」に限定せず、広く、学びに役立つ「情報」を取り上げます。今月は、東京学芸大学附属高等学校家庭科教諭の桒原智美先生に、金融庁のホームページにアップされている、パワーポイントをはじめとした「金融教育」に役立つ教材をご紹介いただきます。
教育現場の「金融教育」に役立つ金融庁HP
高校向け 金融経済教育指導教材の公表について:金融庁 (fsa.go.jp)
最近、「金融教育」という言葉を耳にしませんか?家庭科や社会科の先生は、すでに準備をされていると思います。忙しい毎日の中で、何か良質で専門的な、でもわかりやすい教材を簡単に手に入れたい、と探している先生方は多くいらっしゃると思います。それも無料で!それが、金融庁の作成したパワーポイントです。
本校でも、2021年度に一部利用して授業をしたのが、大変わかりやすく、生徒にも好評でした。使用の仕方は、それぞれの学校に合わせての使い方ができます。
皆さんは、72の法則をご存知ですか?金利が高かった生徒たちの祖父母の世代だと金利8%として72÷8で100万円は約9年ほどで200万円になります。親世代で金利約6%として72÷6で約12年、生徒の時代の現在の金利だと、元本を2倍にするのに約6932年もの時間が必要というパワーポイントがあります。このパワーポイントに「生徒は絶句!」でした。でも、現実なのです。事実を知らないと、対策も取れません!
もうひとつ本校の生徒の感想で多かったのは、「貯蓄に対する発想の転換」です。つまり、給料が入ったら、先に一定の金額を貯蓄に回し、残りのお金の範囲内で家計をやりくり。
仕事をしている私たちにとっては当たり前のことですが、その発想の転換が無いとお金はたまらない!ということでした。生徒は支出を先に考えてしまうのです。まあ、天引きの大切さ、みたいなものです。ここは、はじめの一歩として、とても大切な考え方です。
このほか、金融庁HP「中学生・高校生のみなさんへ」には、自分で生涯の貯金額などが出てくるシミュレーションも使えます。再び強調しますが、「無料で!」使える良質な教材です。PCやタブレットを使っている学校で、Wi-Fi環境があれば、各自で出来ます。少なくとも教員が使って、その例を具体的に示すことができます。本校では、あらかじめプリントにQRコードを印刷し、各自のPCやスマホを使ってシミュレーションしました。とても手軽にできます。
本校でこのパワーポイント実施の後、BSテレ東の「マネーのまなび」という日経新聞系の番組から生徒3名が取材を受けました。(2022年3月24日放送)この番組は、私自身もとても勉強になりました。金融について学びたい先生は、金融庁のパワーポイントと併せて、この番組も活用していくと、専門的でかつ、いまどきな学びになると思います。こちらもおすすめです。
(番組サイト)https://www.bs-tvtokyo.co.jp/moneymanabi/
ぜひ、今後の授業に活かしていただけたらと思います。
(東京学芸大学附属高校 家庭科教諭 桒原智美)
この教材を作られた金融庁の中村さんにも、「高校向け金融教育指導教材」について紹介いただきました。
成年年齢引下げにより、高校生のうちに金融リテラシーを身につけておく必要性がこれまで以上に高まっています。そのため、2022年4月から実施される新学習指導要領では、公共や家庭科での金融教育が拡充されます。
特に家庭科では、「預貯金,民間保険,株式,債券,投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット,デメリット),資産形成の視点にも触れながら,生涯を見通した経済計画の重要性について理解できるようにする(学習指導要領解説)」とされており、新たに資産形成の内容が加わります。
金融庁では、学校の先生方が授業を行っていただく際の助けになるよう、高校の先生等からご意見をいただきながら、新学習指導要領に対応した授業を行うための指導教材を作成しました。パワーポイントのスライドに、スクリプトもつけていますので、実際の授業用の教材として、そのままご利用いただけます。先生方のご準備にもぜひご活用ください。部分的なご利用も可能です。
また、金利の効果や、ライフプランニングの必要性について、視覚的に理解できるよう、シミュレーターも用意しました。スライドの中で、シミュレーターの使い方についても触れておりますので、タブレットやスマートフォンの利用が可能な場合は、授業でもご活用ください。
金融庁では、職員による出張授業も無料で行っています。授業をやってもらいたい!という場合は、下記連絡先にお申し込みください。なお、こちらの教材は「高校生だけでなく、大人にもとても勉強になる!」とSNSで大きな反響をいただいております。家庭科以外の先生の皆さまにも、是非ご覧いただけますと幸いです。
(指導教材)https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220317/20220317.html
(シミュレーター)https://www.fsa.go.jp/teach/simulation/index.html
(講師派遣のお申し込みはこちら)
金融庁総合政策局総合政策課金融知識普及係
TEL:03-3506-6000(内線3716、2189)
E-mail:fukyu@fsa.go.jp