心と体を育む学校給食レシピ集
2014-02-01 12:15 | by 中山(主担) |
子どもと保護者向けの〈心と体を育む学校給食のレシピ集〉をつくりました!
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東京学芸大学附属小金井小学校では、給食の時間に、
「先生、このレシピ教えて下さい。」と話しかけてくる子どもが多く、
ほぼ毎日学校給食のレシピを渡しています。
学校給食を通して、
「美味しかった給食を大好きな家族にも食べて欲しい。」
「家でも食べたい。作ってみたい。」という子どもたちの気持ちが芽生え、
食への関心・意欲が高まっています。
家庭で作って食べてみて、「美味しくできました。」「「お母さんと一緒に作りました。」「家族にまた作ってと言われました。」とリターンの声からも、学校給食での食育が家庭に繋がっているのを感じています。
そんな本校の給食レシピが、本になりました。
『名門小学校の賢く強い子を育てる給食レシピ』 東京学芸大学附属小金井小学校 学研教育出版 2013
本校の給食は、単独調理方式をとり、天然のだし・薄味を基本とし、旬の食材を大切に、ドレッシングやふりかけに至るまで手作りで調理をしています。また、献立は、『主食+主菜+副菜+汁もの+デザート』をそろえ、バランス良く食事をとるためにはどんな組み合わせが良いのか、見て&食べて学べる「給食を見本とした食の教科書」を意識しています。
本書は、レシピだけではなく、学校での給食の様子や食育ワンポイントなどの読み物も充実。好き嫌いをなくすには?家庭でできる食育は?学校での給食の様子がわかるように特徴のある献立例も載せてあります。例えば、読書週間には図書館の中の本からお話をピックアップし、その本からイメージをふくらませて献立をたて「お話給食」を実施しています。食と本、食と文化、食と地域、食と行事、食と環境など、様々なモノやコトとリンクさせ、子どもたちの世界が広がるように工夫をしています。また、給食委員会活動、給食室の様子なども写真を交えて紹介してあります。栄養価だけではない、心の栄養の部分も充実しています。
1日3回食事をとるとして、1年で1095回、学校給食は約190回。つまり82%は家庭での食事です。人間の体は、食べものだけでできています。子どもたちの心と体を健やかに育むために、又、食の基本を身につけ生涯健康で過ごせるように、学校と家庭が連携した食育が非常に大切です。本書を通して、子どもと一緒にLet’s cooking!そして家族で食育に取り組むきっかけとなれば幸いです。
最後になりますが、このレシピ集は、本校に代々受け継がれてきたレシピであり、本校で栄養士をされていた黒須実先生、栄養教諭をされていた安部景奈先生、私が以前勤務していた富山県高岡市公立小学校で先輩方に教えていただいたレシピ、全国学校給食栄養士協議会発行のレシピ集の中からなど、たくさんの方のレシピで作られています。この場をおかりいたしまして、深く感謝を申し上げます。
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毎日いただく給食ですが、こんなにもたくさんの思いが込められていると改めて感じさせられる本でした。
横山栄養教諭は、メニューを考えるときに図書館から食材や世界・日本各地の料理、地理などいろいろな本を借り、当日の献立に関わる本を展示するなど、ふだんから給食と本を自然につないでくれます。給食委員の児童も、毎日、食堂でのスピーチのトピック探しによく図書館をつかっています。
また、読書週間にあわせた「お話し給食」は、毎年の恒例になっており、学内外、各地に影響を及ぼしています。
(本書p19, p48,49、 本サイトの以下のリンクをご参照ください。)
―附属小金井小 給食事例 リンク―
A0020 A0059 〈詩の給食) A0110 A0129 にがてなたべものにチャレンジ 4月23日は子ども読書の日 A0180
―関連情報―
田實亜依子 「おはなしをお届けします。①4月23日「子ども読書の日」お話し会」 『みんなの図書館』436, 2013.8