フリータイム学習

2014-05-09 17:52 | by 小野寺(主担) |

~フリータイム学習でのレファレンスより~

  「びわジャムの本が全然ない!」

4・5・6年生は、5月の中旬から移動教室へ出かけます。
この移動教室では、特産品などのテーマに分かれ、資料で調べたり、現地の先生に直接教わったり、体験をする
「フリータイム学習」をおこないます。 
                          
        
  関連蔵書と公共図書館の資料を集め、
   テーマごとにバスケットに仕分けし、
   資料を提供。

   
   ローカル情報も貴重な情報源!
   パンフレットやリーフレットも用意します。
   

ところが、資料が目の前にあっても、「全然資料がない・・・」「何にも載っていない・・・」と嘆く子は結構います。
そんなときは、できる限り一人ひとりに寄り添って、一緒に資料を手に取り、資料探しや情報の読み取りのサポートをします。


 「びわジャムの本が全然ない!」 Hさん(4年生)の場合は・・・


「びわ」グループに所属しているHさんは、びわの加工品がテーマです。

 『ビワの絵本』(そだててあそぼう88)を読んで、ビワの加工品に関心を持ち、 なかでも、ジャムに着目。
  
ビワの絵本 (そだててあそぼう)
農山漁村文化協会(2010/02)
値段:¥ 1,944

 自分でもジャムを作ってみたいので、次はジャムの本を探した。
 『ジャムの絵本』(つくってあそぼう9)と『私の手づくり保存食百科』(リンダ・ブラウン著,緑書房)を見たが、
イチゴやオレンジのジャムの作り方は載っていたけれど、びわはないという。

 そこで、ジャムづくりの本をもう一度一緒に見てみることにしました。
 ジャムづくり、果物の加工品などの資料を数冊当たりましたが、適当なものがみつかりませんでした。
 資料を探しながら、
    
    「イチゴのジャムの分量を参考に、材料をびわに変えて作ってみるのはどう?」
    「何度か作っているうちに、おいしくできる分量がわかるかもしれない!」
    「もし移動教室までに成功しなくても、せっかく、びわ農家にお邪魔するのだから、現地の先生にインタビューしたらどう?」
 
 などと会話をするうちに、Hさんはヒントが得られたようです。

 その後、私ももう少し資料を探していると、Hさんが初めに手に取った『ビワの絵本』の巻末解説に、
びわジャムの作り方が載っていることに気が付きました。
 このシリーズは、どれも巻末に発展的またはより詳細な解説が載っていますが、
子どもたちは巻末まで読み通すことが少ないです。
 今回も同じように見逃したケースでした。
 
 後日、Hさんにこのことを伝えると、Hさんはまず自分で考えた分量でジャムづくりをしてみることにしたので、終わったら読んでみますということでした。

 Hさんのフリータイム学習がどう進んでいくのか楽しみです。

(東京学芸大学附属大泉小学校 司書 小野寺愛美)

 


次の記事 前の記事 [ 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 ]