失恋しました・・・

2014-06-19 15:27 | by 渡辺(主担) |

 
 学校図書館のカウンターに寄せられるレファレンスは、学習に関するものばかりとは限りません。
中等教育学校では、中学生から高校生までの6学年が在籍していますが、司書とは中1から関わってきた高校生にもなると、生徒もちょっとした本の相談で図書館にやってきます。
先日は、高校2年生の男子がお昼休みに駆け込んできました。

生徒 「彼女にふられちゃったよ~!!」 
司書 「またですか?!」                            
生徒 「またって酷い~!」
司書 「確か、この前は大泣きしてたような・・・・」
生徒 「よく覚えているね。確かにそうだったけど・・・
とにかく、心が癒される本貸してよ!」   

というわけで、失恋男子に本を紹介することになったのです。
 最初に紹介したのは、『てふてふ荘へようこそ』乾ルカ著
格安のボロアパートはいわくつきの理由があって・・・というほのぼの幽霊小説。
生徒「それほど幽霊でほのぼのしたいっていう気分じゃないな」 と却下。

次にすすめてみたのは、映画にもなった『百瀬、こっちを向いて。』中田永一著
クラスの中でも恋愛には無縁そうな登場人物たちがおりなす恋物語。
生徒「単行本しかないの?文庫本じゃないと重たくていやです」 と却下。

その後も生徒は
「さわやかスポーツ話はいやだ」「シリーズは今は読む気分じゃない」「ミステリーは頭をつかう」
と、ことごとく紹介した作品を断り、最終的に
『佐藤さん』片川優子(講談社) を借りていきました。

  司書「この本も幽霊がらみのほのぼのストーリーだけど?」
  
  生徒「いい、いい。さらっと読めそうだし、苗字が題名って面白い!」

  数日後には、「なかなかいい話だった!」
  と笑顔で返却しに来たので、多少でも失恋の痛みが和らぐ一助になったのであればいいのですが。  
 (東京学芸大学附属国際中等教育学校:渡辺 有理子)

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