原書と日本語翻訳版

2018-06-07 10:56 | by 渡辺(主担) |


 本校の洋書コーナーでは、今月は「原書と日本語版の翻訳版」とを一緒に並べて展示をしました。こうして並べてみると、英語の原書と日本語版とでは、題名の訳しかたもまったく違う作品もあり、なかなか面白いのです。
 例えば、テロで姉を失った弟の視点で書かかれた小説〝My Sister Lives on the Mantelpiece” は、日本語のタイトルは『さよなら、スパイダーマン』アナベル・ピッチャー(偕成社)。題名だけでは同じ作品とは思えませんが、翻訳版の内容を読むとなぜ「スパイダーマン」というキーワードをタイトルで使ったのかがわかります。

 さらにタイトルの訳だけではなく、日本語版になると原書とのデザインの違いも見比べると面白い。
『英国一家、日本を食べる』マイケル・ブース(亜紀書房)では、原書〝Sushi & Beyond" の表紙は和食のどんぶりとお箸を描いていますが、日本語版ではタコを中心に、周囲は日本酒の瓶や味噌ダルなど、日本人になじみの品々や建物が描かれています。
 原書は難しくて読めない生徒たちとも、タイトルの訳やデザインの違いを楽しんでいます。
(東京学芸大学附属国際中等教育学校:渡邊 有理子)

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