中学生と大学生を結ぶ懸け橋となる展示を

2019-03-11 16:10 | by 井谷(主担) |

東京学芸大学 学生 西本優香

 私たちは東京学芸大学教育支援課程の生涯学習コースに所属している学生であり、前田稔先生のもとで図書館学を学んでいます。この1年間、附属小金井中学校において毎週金曜日の昼休みの時間を使って学校図書館にて中学生と交流する活動を行いました。なかでも私たちのグループはテーマ展示を担当させていただきました。

 展示を行う際に1番大切にしてきた軸は「大学生ならではの展示を行う」ということです。この活動では、中学生と大学生という、同じ学生という身分でありながらも年齢の大きく異なる学生間の交流が出来ることから、大学生が自身の中学時代を懐古しつつ現役の中学生と向き合うこと・中学生が私たちの姿を見て未来の自分自身の大学生活を想像する入り口となることを念頭に置きました。そして季節ごとの大きな行事にとらわれずに大学生が身近な事柄を気軽に話すところからテーマを見つけ、どんどん膨らましていくようなイメージで展示の構想を練りました。

ここでは展示の一部について紹介させていただきます。


・「ストックホルムに行ってみた。」

 夏休み中にストックホルムを旅行した大学生が持ってきてくれた、複数の外国語表記のパンフレットを展示の中に取り入れました。これは「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説外国語編(文部科学省)」第2章における「『広告やパンフレット,予定表,手紙,電子メール,短い文章』といったものを教材に取り上げ,読み手である生徒が主体となり,どんな情報を得るために読むのかを意識するなど,目的に応じて必要な情報を読み取ることができるようにすることが考えられる。」を参考に行いました。複数の外国語を比べながら、知っている単語や、外国語同士なのに似ている単語などを見つけて私たちに話してくれる生徒の様子を見ることが出来ました。




・「健康でいよう!」

 感染症が流行する12月から1月には感染症への理解と予防を促進してほしいという願いを込めてこのテーマを選び、今年特に猛威を振るっていたインフルエンザに関する本を中心に選書を行いました。さらに「健康」というキーワードを広い意味で捉え、食べ物の栄養の本や簡単なエクササイズが紹介されたもの、感染症の歴史に関する本も展示の中に取り入れました。私たちが選んだ「人類と感染症の歴史―未知なる恐怖を超えて―(著・加藤重孝 丸善出版)」について司書の先生から「今までこの本を手に取る生徒を見ることは非常に少なかったが、平置きすることにより休み時間ごとに手に取って読む生徒がいる」とのお言葉をいただきました。背表紙だけではなかなか目に留まらなかった本と生徒との出会いの場を作ることが出来ました。


・「2月22日猫の日 猫の本集めました」

 合唱祭やテストなど緊張する行事を控えた子どもたちが、立ち止まってほっこりするような猫の本を集めました。この展示を見た生徒から「私も猫の絵を描きたい」と声をかけてもらい、描いてもらった絵を装飾に使わせてもらうという交流を行うことも出来ました。


 今年度の大学生の最後の企画としては「最後に選ぶ大学生のおすすめの本」を行う予定です。1年間にわたる附属中学校図書館での活動の総仕上げを行い、次年度担当の大学生に継承していきます。

 

 

 





次の記事 前の記事 [ 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 ]