「ビブリオバトル首都圏高校生大会」開催
2013-02-23 09:23 | by 村上 |
ビブリオバトル首都圏高校生大会
お茶の水女子大学附属高等学校 教諭(情報科) 小野永貴
2013年2月23日、読売新聞東京本社にて「ビブリオバトル首都圏高校生大会」というイベントが開催されます。
【ビブリオバトルとは】
ビブリオバトルとは、複数人でお薦めの本を持ち寄り、それぞれ5分間でその本の魅力を発表し、最後に「最も読みたくなった本」(チャンプ本)を全員投票で決定する、“知的書評合戦”です。
2010年から東京都主催のビブリオバトル首都決戦が始まり、NHK等のニュースでも取り上げられ、全国の大学・学校・図書館等へ急速に普及しつつあります。
一方、首都決戦は出場者が大学生・大学院生限定であっため、今回の高校生大会は、高校生が出場可能な初めての大規模大会として、注目を集めています。
【お茶の水女子大学附属高等学校では】
プレゼンテーション教育の導入として、必修科目「情報A」の中で1年生全員にビブリオバトルを体験させています。
従来のプレゼン教育は、どうしてもPCを用いたスライド制作に偏重した授業になりがちでしたが、本来プレゼンの本質は口頭発表の技術にあるはずです。他者に何かの情報を伝えるという目的を達成するために、効果的な表現を工夫することがプレゼンの大前提であり、スライドはその補助ツールに過ぎません。
ビブリオバトルは、聴衆に「この本を読みたいと思わせる」という明確な目的を持ち、自身の言葉と身体だけで表現を工夫する努力が必要となるため、
本質に立ち返って、スライドに頼らない基礎的なプレゼン能力を養うのに、効果的な手法と考えています。
【高校生大会に向け校内予選】
このような経緯もあり、今回の高校生大会開催が公表された直後から出場希望生徒を募って、校内予選会を実施しました。
予選会には、ビブリオバトル首都決戦2011で特別賞に輝いた常川真央氏(筑波大学大学院図書館情報メディア研究科・国立国会図書館調査員)にお越し頂き、ゲストコメンテーターとしてアドバイスを頂きました。
参加した生徒は皆本気で発表に挑み、普段は静かな生徒も発表開始の鐘が鳴った途端に口調・表情がガラッと変わり、本の世界観に浸りきった迫真の発表を見せてくれて、ゲストや教員も含め聴衆一同皆圧倒されました。
全員投票で決まった“チャンプ本”を紹介した1年生の代表生徒が、次は読売新聞東京本社で他校生徒を相手に、本の魅力を最高に伝える発表に挑みます。
【2013年度 都内全高校で】
来年度は、猪瀬都知事が主導で都内全高校を対象とした大規模大会が開催されることも計画されており、高校生がビブリオバトルに挑戦する機会はますます増えそうです。
熱い書評を聞いて素敵な本に出会えるビブリオバトル、あなたも参加してみませんか?