子どもの読書の関する2つの情報

2013-03-23 09:01 | by 村上 |


1.パブリックコメント受付中。4月12日まで。文部科学省 スポーツ・青少年課 企画係所轄)   
 「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(第三次)(案)」 について 
 24頁に学校図書館の機能として、「読書センター」「学習情報センター」の基本機能のほかに「心の居場所」が挙げらています。副次的な扱いとしては、わかる役割なのですが…。2008年までは「心のオアシス」という記述がありました。以下を参照してください。
   1997年12月 「平成9年度 我が国の文教施策」 第Ⅱ部 第3章 第2節 子どもたちが主体的に学び生きる力を育てる教育の推進 6.学校図書館 
  2009年3月 「これからの学校図書館の活用の在り方等について(報告)」 読書サポーターズ会議 
                                    ( 文責 東京学芸大学附属小金井小学校 中山美由紀)
     

2.「子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究」報告書 公開
 本の魅力を知る大人たちは、ぜひ子ども時代に幸せな本との出会いがあってほしい!そして、本を読むことを楽しいと思ってほしいと願います。経験的に、大人になってからも、子ども時代の読書体験は、今の自分を何らかの形で支えてくれているように感じていましたが、そんな漠然とした思いが、今回国立青少年教育振興機構によるアンケート調査によって数値化されました。

 報告書は、 「子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究」として、2013年2月23日に発行されました。詳細は、カレントアウェアネス・ポータルをご覧ください。
    http://current.ndl.go.jp/node/22981
 
  そのページから、国立青少年教育振興機構が発表した報告書にもリンクしています。
 
  
   報告書を読むと、家庭での読書環境の違いによるその後の影響なども数値化されています。このような結果を見ると、すべての子どもたちが必ず通う学校に、豊かな読書環境を備えた「学校図書館」は必須だと感じます。単に本が置かれた部屋ではなく、そこに行けば楽しい物語に出会ったり、知らない新しい知識に出会えたり、不思議なもの、心惹かれる何かに出会える場所として、あたりまえに使われること・・・それがとても大切なのではないでしょうか。
 
   幼い時に読んでもらった思い出の絵本といえば、『ぐりとぐら』(なかがわりえこ著 おおむらゆりこ画 福音館 1963年)が思い浮かぶ人も多いかもしれません。今も読み継がれるこの作品は、今からちょうど50年前の出版です。この調査に関わられている東京大学教授の秋田喜代美先生が講演のなかで、「幼い時に絵本を読んでもらって育った人は、自分が親になると、我が子に絵本を読み聞かせるという世代間の読書体験の継承が行なわれる」ということを話されていました。楽しい読書体験が引き継がれていくのはとてもいいことですね。 
(文責 東京学芸大学附属世田谷中学校 村上恭子)

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