「子どもたちの探究活動と図書館の可能性」: 探究を探究する
2014-08-10 16:39 | by 中山(主担) |
今月は東京学芸大学教職大学院教授 成田喜一郎先生よりご寄稿いただきました。(編集部)
平成25年度「中高生向け調べものの部屋の準備調査プロジェクト」の主査であった、立教大学文学部学校・社会教育講座司書課程准教授・中村百合子氏と、「探究活動」のブログラム開発支援にかかわることになったわたくし教職大学院の成田喜一郎(ホリスティック教育)が、2014年7月6日(日)13:30~16:00、国立国会図書館「国際子ども図書館」(東京都台東区上野公園12-49)で、「子どもたちの探究活動と図書館の可能性」と題し、報告会を踏まえて対話型講演会を行いました。
内容は、以下の通りです。
①「中高生向け調べものの部屋の準備調査プロジェクト」報告
②「子どもの探究活動と図書館の可能性」対話型講演会
なお、国際子ども図書館のホームページに、①のときのプレゼンテーション資料と、②のときに配布したわたくしの資料とわたくしのプレゼンテーション資料をアップされました。
今一度、立ち止まって、探究とは何か、探究を探究する機会になればと考えています。
「中高生向け調べものの部屋の準備調査プロジェクト」報告
http://www.kodomo.go.jp/
「子どもの探究活動と図書館の可能性~中村百合子氏との対話~」
・配布資料
http://www.kodomo.go.jp/
・スライド資料
http://www.kodomo.go.jp/
この対話型講演会のときはご紹介できなかったのですが、「探究とは何か」を考える文献を2つご紹介いたします。
○「特集Ⅰ 探究と協同の授業づくり―総合的な学習の時間を中心に」文部科学省初等中等教育局教育課程課・幼児教育課編『月刊初等教育資料』2014年8月号、東洋館出版:http://www.toyokan.co.jp/book/b181829.html
総 説 探究的で協同的な授業づくりと21世紀の社会●田村学
[第Ⅰ部]自ら学び、共に学ぶ子供の育成―探究・協同
論説1 探究的に学ぶことの価値●藤井千春
論説2 探究する人こそが求められている●石川憲一
論説3 協同的に学ぶことの価値●藤村宣之
論説4 親和動機が達成動機を高める●速水敏彦
[第Ⅱ部]総合的な学習の時間における探究と協同の授業づくり
ここでは、事例1〜事例8まで取り上げられています。
○マシュー・リップマン著、河野哲也・土屋陽介・村瀬智之訳『探求の共同体─考えるための教室─』玉川大学出版会、2014年6月。
この文献で注目すべきは、従来から言われてきた「批判的思考」に加えて「創造的思考」「ケア的思考」という思考の多様性を指摘し、その3つの思考の重なり合う部分を多元的思考として概念化しているところです。探究(探求)を支える思考力の多様性、多元性を理解することは重要でしょう。
また、わたくしが大学院の講義やワークショップで使うカリキュラム開発の理論と方法に関する資料やリンク集を掲載しているブログ「越境する教育学の創成」には、探究活動の計画・実践・評価にふれた記事もあります。もしよろしかったら、ご覧下さい。
ブログ「越境する教育学の創成」:http://pedagogytocrosstheborder.blogspot.jp/?view=flipcard
なお、2014年7月6日(日)の対話型講演会資料やブログに関するご質問等については、以下のメール・アドレスまでご連絡ください。knarita☆u-gakugei.ac.jp(☆印に@を代入してください)
東京学芸大学教職大学院 成田喜一郎