平成30年度文部科学省事業報告会
2019-01-09 16:54 | by 井谷(主担) |
(参加者 87名)
「平成30年度文部科学省事業報告会~みんなで使おう! 学校図書館 Vol.10」
日時:平成30年12月22日(土) 13時~17時
場所:東京学芸大学 西講義棟(W棟)W110教室
なお、この報告会の様子は、1月中は動画配信を視聴することができます。トップページからお申し込みください。当日配られた資料も、順次アップします。
1.はじめのことば 東京学芸大学 学校図書館運営専門委員会 委員長 古家 眞
年末の押し迫った中、山形、高知、福岡など遠いところからもご参加いただき、感謝申し上げます。昨今、教員養成系大学、附属学校の存在意義が問われているが、当運営委員会では公立学校に対して様々な情報を発信してきたと自負しています。今日はそのまとめとなりますが、有意義な会としていただきたいです。
2.授業実践報告~学校図書館ガイドラインを踏まえた学校図書館活用 情報活用能力の育成の視点から~
●附属世田谷小学校
「世小の生き物博士になろう」 司書教諭 梅田 翼
理科の「身の回りの生物」を軸とし、国語や総合的な時間に学校図書館を活用することにより、情報活用能力の育成を目指す取り組み。
●附属小金井中学校
「教員の学校図書館研修≪図書館の利活用を考える日≫の実際」 司書教諭 数井 千春
全教員による図書館研修≪図書館の利活用を考える日≫の10年間の取り組みの内容と、アンケートの結果からの考察。
●附属竹早中学校
「物語のヒミツをさぐろう」 司書教諭 荻野 聡
国語の授業で学んできたことを踏まえ、物語を4作品読み、物語の基本的構造や作者の工夫に触れる授業の取り組み。のちに小中連携の合同授業で活用する。
●附属世田谷中学校
「今日的課題を含む授業における学校図書館を活用した授業形態の考察」 司書教諭 桒原 智美
家庭科の授業の中で図書館を活用し、ワールドカフェ方式、ジグソー的な学習を体験させる取り組み。
●附属高等学校
「歌唱表現を高めるためのブックトーク」 音楽科教諭 居城 勝彦
作詞者 星野富弘への理解を深めるため、司書によるブックトークを取り入れる取り組み。
●附属国際中等教育学校
「文学が果たす役割を探究する」 国語科教諭 浅井 悦子
遠藤周作『沈黙』に関し、図書館の多彩な資料を利用して文学作品を多角的に分析し探究する取り組み。
3.司書部会からの報告
●学校司書の資質・能力の向上のための研修のあり方 附属小金井中学校司書 井谷 由紀
今年度実施した4日間の研修の内容と、アンケートからの考察
資料⑦研修.doc
●「先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース」の活用 附属世田谷中学校司書 村上 恭子
今年度のWebサイトの改良点と、情報発信、今後の課題についての提案。
●質疑応答
4.指導・助言
●研修のあり方について 専修大学文学部教授 野口 武悟氏
司書の研修を教員養成大学である学芸大学が担うことに意味があり、今年度も充実した内容のプログラムが提供できた。今後に向けては、電子書籍と学校図書館をテーマに取り上げることと、研修が司書の資質能力の向上にどのように関わったのか、研修の評価指標についても研究していくと良い。
●先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベースについて 風夢 橋本 健志氏
埼玉県立図書館前副館長 長谷川 優子氏が欠席されたため、橋本氏に講評をお願いした。
教員養成大学4年生の長女が最近になって指導案の大切さに気付いたという話から、データベースの価値について改めて認識した。
5.講演 帝京大学教育学部教授 鎌田 和宏氏
「AI時代の教育と読書・学校図書館活用~学校図書館ガイドラインで創る学習環境と情報リテラシー~
AI時代が到来した今、これからの学校教育がどこに向かっているのかを中教審答申からみていく。その学校教育に学校図書館がどう貢献できるのか、読書センター・学習センター・情報センターの3つの機能から考察する。学び続けなければ、激変する社会を生きていけない。自分で学べる子、読める子に、小中高12年かけて育てていく。
6.おわりのことば 東京学芸大学教授 藤井 健志氏
本日はお疲れ様でした。今後、AI、ICTの利用と本の活用をバランスよく取り入れていくことが大事です。図書館の理想・あるべき姿を一緒に考えていきましょう。
(文責 東京学芸大学附属小金井中学校 司書 井谷 由紀)