13歳の本

2011-04-11 19:44 | by 井谷(主担) |

 中学1年生のオリエンテーションでは、「13歳の本」を紹介するブックトークはどうでしょうか。
 
   まずは普通の中学1年生 田村響くんが主人公の
  『超・ハーモニー』 魚住 直子   講談社
 
   中学に入学したばかりの響の家に、
  7年前に家出をした兄がなんと女になって帰ってきます。
   お父さんもお母さんも怒ったり無視したり、家中大混乱。
   いったい、響の生活はどうなってしまうのでしょうか?
 
 
 
 
 
   次は、同じ日本の13歳でも、
  今から200年前の江戸時代の少女の実話です。
  『算法少女』 遠藤 寛子  ちくま学芸文庫
 
   書名からもわかるとおり、算法の得意な町娘あきの話です。
   当時、日本では和算という日本独自の数学が発達していましたが、
  女の子、しかも町人の娘が数学の勉強を極めるなど、
  とても珍しいことでした。
   噂を聞きつけたある藩主が、あきと武士の娘に
  算法勝負をさせようとします。さて、その結果は・・・
 
   
最代のインドの小説です。
  『家なき鳥』 グロリア・ウィーラン  白水社
 
   貧しい暮らしのコリーは、13歳で親の決めた人と結婚をしますが、
  なんと病弱な夫はあっという間になくなり、
  13歳にして未亡人になってしまうのです!
   コリーはその後幸せをつかむことができるのでしょうか?
 
 
 
 
 
 そのほかにも、主人公が13歳の本はたくさんあります。
 実際にブックトークをするときは、あと数冊とりまぜ、目の前の生徒にあわせ、つなぎの言葉などを工夫して行っています。
  自分と同じような現代の中学生の本を読むのももちろんいいですが、できれば、違う時代、違う土地の13歳の本も是非読んでもらいたいと思います。
 そして、今自分のみているもの、自分の周りで起きていることだけが世界のすべてではないことに気づいてくれたら嬉しいです。
 
        (東京学芸大学附属小金井中学校  井谷 由紀)

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