こんな変身、いかがですか? (中学生へ)
2012-06-13 20:08 | by 中山(主担) |
「私,こんなの思わずかわいくて買っちゃったんですよ」 (ティアラの髪飾りを見せる)
小さなとき,こんなティアラに憧れたり,王女様のドレス着てみたいなとか…変身に憧れたりしませんでしたか?
「私の宝物」という展示をやった時に、仮面ライダーの変身ベルトを出してくださった先生もいらっしゃいました。
もう真ん中がくるくるまわんなくなっちゃったんだけど、その先生にはとっておきの宝物!
きっと、変身に憧れた少年時代だったんでしょうね。
今日、「こんな変身いかがですか?」というブックトークをしてみます。
1. 13か月と13週と13日と満月の夜(アレックス・シアラー著,金原瑞人訳,講談社,2003)
赤毛でちょっとぽっちゃりした女の子カーリーは、転校生のメレディスと仲良くなります。
メレディスは自分を孤児院から引き取ったおばあさんと一緒に暮らしていましたが,
悪い魔女に身体を乗っ取られてしまっておばあさんの身体に変えられてしまいます。
元の身体に戻してやろうと奮闘するカーリー。
しかし,もうちょっとというところで罠にはまり,カーリーまでもがおばあさんの姿に変えられてしまいます。
老人ホームに入れられてしまったカーリーは,そこでメレディスを探し出し、
身体を取り戻すために魔女に立ち向かいます。
その作戦のヒントになるのが「13か月と13週と13日」そして「満月の夜」!
そのちょびっとのチャンスを生かして、身体をとりもどすことができるか、
カーリーと一緒にハラハラドキドキして,物語を楽しめる本です。
次の本は,人間の姿に変身できるようになった日本のキツネのお話です。
2. 白狐魔記 源平の風(斉藤洋著,偕成社,1996)
若いキツネが旅に出ます。
人間の生活に興味を持ったキツネは 人里近くで、
人間の様子を観察しているうちに、
漁師に狙われて命を落としそうになったところを
仙人に助けられ,弟子になることになりました。
修行の末,人間に化けたり、白い狐のすがたになったりすることが出来るようになり,
白狐魔丸(しらこままる)という名前をもらいました。
故郷に帰る途中のある日,源義経の一行に出会い…。
義経の兄ちゃん、誰?
そう、頼朝。
頼朝に追われてしまう義経と弁慶ほか8人落ちのびていきます。
以前、義経に命を助けられた白狐魔丸は、
なんとか義経たちを,少しでも逃がしてやろうと奮闘します。
なんでいのちを奪い合うんだろう? 武士の生き方に疑問を持つ白狐魔丸は
歴史上のいろいろな人物と出会って活躍していく話です。今 5巻目ですね。
物語の世界はありえなーい変身が出てきますが、
次の本は,みんなが実際に目にすることが出来る変身です。
3. 『栗林さんの虫めがね 2 変身』(栗林慧著,フレーベル館,2004)
初夏の夕暮れ、…土の中からひょっこり顔を出しました。
「ぼくが誰だか分かるかな?」
木をよじ登り始め、じっとしていたら
「ぱかっ」背中が割れて…「へーんしん」
(ニイニイゼミが幼虫から成虫へと変身(羽化)するまでの姿を迫力いっぱいに写真で紹介した本。
読み聞かせをたっぷりしてスタート。)
栗林さんは昆虫のカメラマン。特別なカメラも自分で開発します。
映すときの様子は腹ばいになって、こんな様子です。(写真を見せる)
ちっちゃな昆虫の世界を迫力いーっぱいに紹介してくれている人だね。
セミ以外にもいろいろな虫の変身の様子を見ることが出来ます。
現実の世界ではなかなか体験出来ない変身だけど,物語の中では主人公と一緒に変身を体感できることが出来ます。変身のお話,ぜひ読んでみて下さい。
(千葉県袖ヶ浦市立昭和中学校 読書指導員 和田幸子氏)
2012年5月13日、「ブックトークを聞く会」(東京芸術大学)にて、
中学生にブックトークをつくってもらう時の お手本になるようなミニブックトークをしてもらった3つのうちの1つです。
(まとめ 大妻女子大学非常勤講師 野口久美子氏
東京学芸大学附属小金井小学校司書 中山美由紀)