あたる (小6へ)
2012-09-08 20:59 | by 中山(主担) |
「あたる」(対象:小学校6年生)
今日は「あたる」という本を紹介します。みなさんは「あたる」という言葉から何を想像しますか? 宝くじに当たるもありますね。6年生は「日曜ドラマATARUだよ。先生知らないの?」とか言います。それ以外では?と聞くと毒にあたるとか、天気予報が当たるとか言います。おみくじにあたるもありますね。
「あたる」という言葉がいろいろことに使われるのが面白いので「あたる」をテーマにしました。
最初に紹介するのはクジにあたった男の子のお話です。
1. 『チョコレート工場の秘密』(ロアルド・ダール著,評論社,2005)
次は,日に当たると大きな働きをする光触媒の話です。
2. 『太陽と光しょくばいの物語』(藤嶋昭,かこさとし著,偕成社,2010)
2つの紙コップの1つに酸化チタンを入れ、色水を加えて、日に当てると酸化チタンの方は透明になります。つまり、日に当てると色を消す力を出したことがわかります。オリーブオイルに油絵絵具をまぜたべとべと油の実験。半日、日に当てててみてから、水をかけて流しました。酸化チタンにはベトベト油を洗い流す力があることがわかります。他にも曇り止めの力もあります。これらを上手に生活に使っていこうと、車のバックミラーにつかわれたり、屋根だのに使われています。
弱点もあります。
日にあたらないと働かないとか、そのままmでは他のものにくっつかないとか、金属や岩石には働かない。布や衣服などではボロボロになってしまうなど問題もあるのですが、それぞれの解決の研究もすすめられています。もっと有効い使われるためにまだまだ開発はすすんでいます。 光触媒ということで、わかりやすくかいてくれています。
最後に紹介するのは,あたるはあたるですが,八つ当たりの本です。
3. 『トモ,ぼくは元気です』(香坂直著,講談社,2006)
中学受験を控えた6年生の男の子カズキが主人公ですが、障害を持つ1つ上のお兄ちゃんがいます。お兄ちゃんのことで八つ当たりを起こしたことをきっかけに,遠く離れた祖父母の家で夏休みを過ごすことになりました。
お兄ちゃんに障害があるということで、これまでもかばっててきたり、ちょっと悲しい思いをしてきたりしてきました。お母さんに「お兄ちゃんのことを守ってあげてね。見てあげてね。」とか言われることだんだんがつらくなってきたのです。そんなことをお母さんに言えるわけもなくどこにあたったかといううと、おかあさんのつくったパッチワークのキルトや家にあるソファーにあたりました。はさみでめちゃめちゃに切ってしまったのです。この気持ちをどうしたらいいんだろうと思いながらカズキはおじいちゃんおばあちゃんのところで過ごします。夏休みを経て,男の子の気持ちも少しずつ変わっていきます…。『トモ,ぼくは元気です』このトモというのは実はお兄ちゃんの名前です。八つ当たりした気持ちがどう変わっていくか、読んでみてくれるとうれしいです。
今日は「あたる」という本で紹介しました。
子どもたちは自分でテーマを決めてというと、魔法とか宇宙とか名詞を選ぶことが多いので、ちょっと視点を変えて「あたる」という動詞をつかってみました。
(関東学院小学校 司書教諭 徐 奈美氏)
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小学校6年生がブックトークを作成するにあたって、指導者である徐奈美さんがはじめに見本として子どもたちに向けて行ったブックトークを、5月13日「ブックトークを聞く会」で披露してくださいました。
子どもたちに配布した資料 6年生ライブラリー ブックトークを作ろう.pdf