表象ー出来事を伝えるということ

2016-05-10 12:12 | by 岡田(主担) |

授業展示をブックトークでお伝えします。
担当教官から「現在わたしたちは、世界中の出来事をリアルな映像•音声で、見聞きすることができます。これはどのような事態なのでしょうか。」との問いがありました。
附属高校では学校図書館を情報を受信、選択、理解、発展、発信の場としてとらえています。まさに、学校図書館と恊働で行える授業です。



「浮浪児 1945ー戦争が生んだ子供たち」石井光太 2014 新潮社
表紙の写真を教科書や資料で見た人も多いと思います。
「健気にがんばって、たくましく生きる子供たち」というイメージでしょうか。
ジブリの「火垂るの墓」を思い出す人もいると思います。
1945年の東京大空襲がすべてのはじまりと書かれています。
十万人を超すであろうと思われる、身寄りをなくした子供たちは、何の保証もなく戦後をどのように生きたのでしょうか。



「戦争×文学 全20巻+別館」2011〜 集英社
附属高校図書館では全巻購入しました。推薦者は誰だと思いますか。
答えは、日本史の先生です。
戦争文学というと井伏鱒二や原民喜などを思い浮かべますよね。
この全集には、皆さんの好きな宮部みゆきや森博嗣なども入っています。
どの巻に入っているかは是非自分でさがしてみて下さい。
どんな作品かも楽しんで下さい。



「キネマ旬報 増刊 戦後70年目の戦争映画特集」2015 キネマ旬報社
映像でもたくさんの戦争が表現されています。
「日本のいちばん長い日」 「野火」「沖縄  うりずんの雨」「この国の空」
 「アンブロークン」「母と暮せば」「杉原千畝 スギハラチウネ」
図書館にも原作となった本があります。両方を比較するのも表現を学ぶ方法の一つです。

世田谷美術館分館 宮本三郎記念美術館
第3期
画家と写真家のみた戦争
―宮本三郎、久永強、向井潤吉、師岡宏次
2015年12月19日-2016年3月21日
《飢渇》1943年

絵画の表現として戦争画というジャンルもあります。
同じ世田谷にある宮本三郎記念美術館に行った人もいると思います。
この美術館は生前宮本三郎が1935年から1974年に亡くなるまで長きにわたり制作の拠点とした、
その世田谷区奥沢の地に、世田谷区が新たに建設し、2004年4月に開館した美術館です。
宮本三郎を基幹として充実した展覧会、講演を積極的に行っています。
今回は戦争と芸術という側面での展示を紹介します。

最後に皆さんに問題です。
久永強のシベリア抑留体験を描いたシリーズ
「黄金の塔」

これが、何を表現し、どんな状況なのかを各自調べてみて下さい。
これで本日のブックトークは終了です。
ありがとうございました。

 学校図書館DB 管理番号 A0243 も合わせてご覧ください。

          (東京学芸大学附属高等学校図書館  岡田和美)










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