つながる音楽
2011-02-03 10:59 | by 小野寺(主担) |
2月末に音楽会があります。
そこで、4年生に向けて、音楽をテーマにしたブックトークをすることにしました。
みなさんはちょうど今、音楽会に向けて、歌や合奏の練習を一生懸命取り組んでいるところですね。
みなさんは“音楽”ってどんなものか知っていますね。音楽を聞いたり、演奏するとどんな感じがするかも味わったことがあるでしょう。でも、なかには音楽というものを知らないひとがいたようなのです。まずは、この本をみんなで読んでみましょう。
『ねこのくにおきゃくさま』 シビル・ウェッタシンハ文・絵
まつおかきょうこ訳 福音館書店
ねこの国にお面をかぶった二人のお客がやってきた。二人は、踊ったり、歌ったりしてみせ、
ねこたちに歓迎される。
そこで、ぜひ顔を見せてほしいと頼まれるのだが……。二人の正体とは?
←読み聞かせ
音楽や踊りのおかげで、友情が結ばれるのは、すてきなことですね。
アメリカにあるニューヨークという街でも、音楽のおかげで結ばれた友情がありました。
『天才コオロギニューヨークへ』 ジョージ・セルデン作 吉田新一訳 あすなろ書房
田舎に住んでいたコオロギのチェスターは、ひょんなことからニューヨークの地下鉄タイムズ・スクエア駅にやってきて、
新聞売り店をしている一家の男の子マリオに拾われ、飼われることになりました。
さて、このチェスターにはある才能があったのです。それは、音楽の才能。小さな体の羽を擦り合わせて、見事な音楽を
奏でることができるのです。
そこで、チェスターの友だちネズミのタッカーとネコのヘンリーは名案を思いつきました!
売店の大切な売上金のお札を誤まってかじってしまったり、小火騒動を起こしてしまったり、チェスターの周りで次々と
起こる事件にハラハラドキドキ、目が離せませんが、読んでいるといろいろな曲が本当に聞こえてくるような物語です。
ところで、みなさんは演奏してみたい楽器はありますか?
チェスターは、自分の体を使って一人ですてきな音楽を奏でていましたが、何人かが集まっていろいろな楽器を
演奏する音楽もまた魅力的です。
『絵本ワニのオーケストラ入門』 ドナルド・エリオット文
クリントン・アロウッド絵 芥川也寸志/石井史子訳 岩波書店
この本は、いろいろな楽器が、どんな音色か、オーケストラでの役割はどんなかを、楽器が自己紹介しています。
オーケストラではたくさんの楽器が登場しますね。形が同じだけど、大きさが違うものもあります。あまりなじみの
ない楽器もこの本を読むと、実際に演奏を聞いてみたり、演奏してみたくなります。
ヨーロッパの昔の貴族のような衣装を着たワニたちが登場しますが、大真面目な楽器の入門書なんですよ。
音楽が演奏されるには、楽器や演奏者だけでなくて、それを支えている人もいるのをみなさんは知っていますか?
『ピアノ調律師』 M・B・ゴフスタイン作・絵 末盛千枝子訳 すえもりブックス
ルーベ・ワインストックは腕がよく、名ピアニストにも信頼されているピアノの調律師です。
演奏者がよい演奏をできるように、弦の張り具合を調べたり、音程の調整をする仕事です。
ワインストックさんは、孫娘のデビーには将来ピアニストになってほしいと考えているのですが、
デビーの夢は違いました。
おじいちゃんが調律している姿を見ているのが大好き、いつも見ているから私にも調律ができる!
そう思っていたデビーは、ある日おじいちゃんの言いつけを聞かず、お客さまのピアノを本当に調律し始めて
しまうのです。うまくできるのでしょうか?
ピアノは音楽室にもありますから、私たちがよく知っている楽器ですね。
でも、調律をしているところはあまり見たことがないかもしれません。
巻末には、調律のときに使ういろいろな道具の絵も載っているので、調律の様子もわかる物語です。
読んでみたい本はありましたか? ぜひ、手にとってじっくり味わってみてください。
(東京学芸大学附属大泉小学校 小野寺愛美)