どんなうちに住んでみたい?

2017-01-15 16:31 | by 岡島(主担) |

ブックトークをする際、東京子ども図書館より出版された『ブックトークのきほん21の事例つき』のシナリオを参考に実演しました。この本は事例だけでなく、子どもと本をつなぐブックトークの意義や目的方法を松岡享子さんが書かれています。この本をもとに自分でアレンジすることができ、初心者から中堅まですぐに役にたつ一冊です。(小学校から高校まで事例掲載)








                            

  実施学年小学校3年と4年

 今日は、「どんなうちに住んでみたい? 」のブックトークでいろんな家を紹介します。家に関係する本を7冊紹介します。

 私は、2世帯住宅の一軒家に住んでいますが、みんなは、どんな家に住んでいますか?マンション?一軒家それともサザエさんの家みたいな平屋でしょうか?(少しの間)では、こんな家に住んでいる人はいますか?『イグルーをつくる』をみせる。ここに住んでいる人はイヌイットの人びとで北極地方に4000年前から狩りをしてくらしています。(世界地図でカナダのイグルーリクを指さす)







『イグルーをつくる』ウーリ・ステルツァー 千葉茂樹訳 あすなろ書房
   この家は、イグルーといって、イヌイットの住んでいる地方は、とても寒いので家の材料になる木が育ちません。だから、イグルーは、全部雪だけで造ってしまいます。この本には、その造り方が書いてあります。(本を見せながら説明する)最初に岩が多く、広い場所をみつけ、イグルーを作る場所をきめます。次に硬すぎもせず、やわらかすぎもしないいい雪を見つけることが大切です。それから、積もっている雪を四角く切り出しブッロクにして積んでいきます。

積み方は、隣のブロックよりも高く、段差ができないように、上側をなめらかに削っていくと、うずまき状になります。そのままどんどん積んでいって、天井に丸く雪の板をかぶせます。お父さんが閉じ込められました。どうするでしょう?入口の穴をあけて脱出しました。その後、煙突や窓、玄関を作ります。 イグルーの中から外を眺めた写真です。外はマイナス30度でもイグルーの中は、風も寒さをはいってこなくて快適だそうです。

寒い地方の家を紹介しましたが、次にあたたかい地方やいろんな家を紹介します。








『世界あちこちゆかいな家めぐり』 たくさんのふしぎ傑作集 小松義男 福音館書店

小松義男さんは世界中の家の写真を撮って、その家でくらす人々の様子を紹介しています。

地図で場所を指す、モンゴルでは、移動できる組み立て式の家、ゲルに暮らしています。家の骨組みは木でできており、羊の毛でできたフェルトを包んでしばるとできあがりです。子どもたちは4歳ぐらいから馬にのっています。

絵をみせながら、中国の福建省にある土楼は大きな円盤が着地したような家で4階建てで、300人の人たちが暮らしています。他にもチュニジアの地面の下の家やアフリカのトーゴの土でできた家の写真を見せます。

 さて今度は、人間以外のいきものの家を紹介します。

『網をはるクモ観察事典』みんなは、クモの巣はどんな風に作るか知っていますか?








小田 英智 構成・文   難波 由城雄 写真   偕成社

 クモの家の建て方、巣の話やジョロウグモのえさのとり方や子クモの話をします。

 クモの網は、家にもなるし、同時に食べ物を得る場所でもありましたね。

ほかにも、便利な家があります。









ペーン・デュボア 文・絵  松岡享子 訳  岩波書店

『ものぐさトミー』ものぐさなトミーナマケンボという男の子の便利な家のお話です。トミーの家は電気仕掛けで、朝お日様がのぼると、ベッドが自動的に動き出し、傾いてトミーを滑り落としながら、服を脱がせ、お風呂に入れます。洗い、乾かし着せてくれ、食堂に移動して、朝ごはんも全自動です。トミーの朝ごはんは全部一緒くたになっています。便利な家ですが、ひとつ弱点があります。それは電気がとまってしまうことです。そしてある日停電になってしまい、トミーは、どうなってしまったでしょうか。さかさまな様子の絵を見せます。続きはこの本を読んでください。

トミーは、便利な家にすんでいましたが、今度紹介する本は、









『おすのつぼに住んでいたおばあさん』

ルーマー・ゴッテン文 なかがわちひろ 訳・絵

むかし、湖のほとりにネコとおばあさんが貧乏でしたが、小さな家で幸せにくらしていました。ある日、小さな魚の王さまの命をたすけ、「ねがいをかなえたやろう」と言われ、おばあさんは、ごちそうを願い、次々にいろんな願いをしますが、どんな願いをしたでしょう。

先程は、おばあさんとネコのモルトのお話でしたが、次に紹介する本は、ネコが主人公の本で









『ジャクソンねこのほんとうの家』

ブライアン・ボール作 清水真砂子 訳 キャロリン・ハリソン

子ネコのマリリンは人間に置いて行かれたと思い、ネコのジャクソンと一緒にでかけます。ジャクソンは名前も違え、のらねこのふりをしたり、自分の家の他に3件も家があります。ほんとうの家とは・・・

 

ジャクソンはたくさんの家があり木の上の家は素敵でしたね、最後に紹介する本は、







 
 
アストリッド・リンドグレーン 作 大塚勇三訳  岩波書店

 『やかまし村の子どもたち』やかまし村は、スウェーデンにある小さな村です。この村には、南屋敷と中屋敷と北屋敷の三軒しかありません。子どもは全部で6人。隣の家に行くのに、玄関を使わず、木を伝って隣の家にも行けます。その後に、中屋敷に住む、リーサや兄弟の話をし、誕生日プレゼントに自分の部屋をもらった話をします。

この『やかまし村の子どもたち』という本には、リーサが家出をする話や、秘密基地を作る話など、わくわくするようなお話が沢山はいっています。続きもありますから、読んでみてください。

 さて、いろんな家が出てきましたが、みんなはどんな家に住んでみたいですか。

イグルーを作る先住民族イヌイット・他にも世界の家の本を用意してありますので、せひ、手にとってみたください。

 子どもたちの感想
Oさん、ものぐさトミーの自動になんでもやってくれるところが面白かったです。特に反対のところでは大わらいしそうになりました。
Iくん、イヌイットの知恵がすごいと思いました。
Kさん、雪でとてもしっかりとしてがんじょうでくずれない家が作れるなんて知ってびっくりしました。ぜひ、自分も作ってみたい。
kくん、世の中にはさまざまな生き方をしている生物が多いと感じました。ぼくは、いがいと幸せだと思いました。

Nさん、あんなふうに氷で家をつくれてすごい、自分も作ってみたい。違う国や動物のすむところやくうところがわかってよかったです。

 実演者の感想、子どもたちは食いつくように、本を見て、一緒に楽しみながらブットークをすることができました。クモがえさを取る場面やものぐさトミーの食事の場面や停電の時は悲鳴まででて、どの子も楽しそうでした。最後の本を変え、高学年にもやってみようと思っています。子どもたちは、ブットークすることで、読む本の幅や世界が拡がったようです。

(東京学大学附属竹早小中学校 岡島玲子)

写真で見る世界の人びと』

ディーナ・フリーマンポプラ社

『写真で知る世界の小数民族・先住民族イヌイット』レスリー・シュトゥラドゥヴィック

汐文社

『国際理解に役立つ世界の衣食住』   小松義男  国土社

『土の家』たくさんのふしぎ      小松義男 福音館書店

『地球生活記』            小松義男 福音館書店
『ぼくの家は世界遺産』        小松義男 白水社


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