『よみきかせのきほん―保育園・幼稚園・学校での実践ガイド』
2020-11-09 19:16 | by 富澤(主担) |
読み聞かせは、とりたてて特別な訓練を積まずとも、本の魅力、楽しさを丸ごと子どもたちに伝えることができる、この上ない手段です。
とはいえ、ある人数以上の子どもたちに読み聞かせをするとなると、どんな本を選べばよいのか、どう読めばよいのか、不安や疑問がにわかに頭をもたげてきます。そんな不安の解消に、とても役立つブックレットです。
『よみきかせのきほん―保育園・幼稚園・学校での実践ガイド』
東京子ども図書館編、2018
実践をもとに、集団への読み聞かせに向く絵本304冊を選び、3歳前後の幼児から、小学校の高学年まで、対象年齢で4つのグループに分け、それぞれのグループの中で、書名の50音順にならべて紹介しています。
1冊ごとの紹介文に加え、所要時間やジャンルも一目でわかるように工夫、「開きぐせ」をつけるといった事前準備から、持ち方、読み方、終わった後に記録をつけることまで、丁寧に解説されていますので、これ1冊をしっかり読んで準備をすれば、初めての読み聞かせにもきっと自信をもって臨むことができることでしょう。本校では、国際学級で読み聞かせのボランティアをしてくださる保護者の方々や、クラスで読み聞かせをしたいと希望される教育実習生に、実践の前に手渡すようにしています。
巻末には、書名索引に加え、件名索引も備えてありますので、授業の導入のための絵本探しや、ブックトークづくりのヒントを得るのにも役に立ちます。
こちらの記事でも紹介している、『絵本の庭へ(児童図書基本蔵書目録1)』『物語の森へ(児童図書基本蔵書目録2)』(どちらも東京子ども図書館編・刊)と併せて、いつも手の届く場所に置いておきたい1冊です。
(東京学芸大学附属大泉小学校司書 富澤佳恵子)