『司書と先生がつくる学校図書館』

2016-01-11 22:13 | by 小野寺(主担) |

2014年6月に、学校司書が法制化されて以来、
学校図書館の仕事や学校司書の役割をまとめた本が続々と出版されていますが、
昨年12月、新たにおすすめの1冊が出版されました。

       『司書と先生がつくる学校図書館』
                福岡淳子著 玉川大学出版部 

 公立小学校で学校司書として、子どもたちにさまざまな読書の動機づけをおこない、すべての子どもたちに必要な学びの基礎力を育んできた著者。
 15年にわたる豊富な体験と実践事例から、学校司書という職業の多様な活動の可能性を具体的に綴る。

 第1章 基本の考えかた わたしが学校司書になるまで
 第2章 協働して生かす学校図書館
 第3章 子どもから支援方法学ぶ
 第4章 いろいろな読書の動機づけ
 第5章 蔵書構成をつくる 司書力の育てかた
 第6章 学年別のとりくみ
 資 料 読み聞かせリスト

 どの子にも、本のよろこびを感じてもらうことで、子どもたち一人ひとりの読書力を伸ばすことができる。著者のその確信は、子どもの成長を長い目で見守り、日々、教師との協働を積み上げてきた豊かな経験によって裏付けられています。実践事例や選書のための本の評価カードなどは、きちんと記録として残し、分析、再評価しながら次の活動に活かす姿勢は、ぜひ見習いたいものです。
 学校司書としての経験が少なかったり、これから学校図書館で働いてみたいと思ったとき、学校図書館がどのような場所で、そこで働く学校司書はどのような役割を求められているかを具体的なイメージとして提示してくれる本は、経験が浅い人たちを導いてくれます。とくに、長年、学校図書館の現場で学校司書をされてきた方々は、豊かな経験とともに数多くの実践事例をお持ちです。それらを直接伺うことができなくても、こうして書物で知ることができるのはありがたく思います。また、本書は学校司書だけでなく、子どもたち一人ひとりの読書力を育んでいくパートナーとして多くの先生方にも、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

(東京学芸大学附属大泉小学校 小野寺愛美)

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