博物館に行く前に

2016-03-11 14:13 | by 井谷(主担) |

 今年度も最後の月に入りました。
 春休みに家族で、あるいは新学期の遠足で上野の国立科学博物館(通称カハク)に行かれる学校も多いことでしょう。行く前にぜひチェックしたいのがこの本です。
『国立科学博物館のひみつ』 成毛 真 ブックマン社 2015年
 博物館マニアの著者が、執筆当時副館長だった折原 守氏と共に常設の日本館を案内し、その魅力を語っています。3階から順に、日本列島の自然・地質・鉱物・生きもの・日本人と巡るルート。各部屋の展示の見所やちょっとした工夫が、豊富な写真と共に語られ楽しめます。本書「日本館編」に続いて、ぜひ「地球館編」も執筆出版してもらいたいです。

 上野のカハク全体の展示の数は約15000点ですが、それはなんと、コレクションのわずか0.3%にすぎないとのこと。では、残りの99.7%はどこにあるかというと、筑波の研究施設 自然史博物棟に保管され、日々研究が行われているのです。本書では、普段は非公開のこの施設も取材し、博物館の役割についても考察しています。

 折原副館長の夢は、カハクが映画『ナイト・ミュージアム』の舞台となること。大英博物館にはいささか負けるにしても、前2作のニューヨーク・アメリカ自然史博物館や、ワシントン・国立自然史博物館には引けを取らないと自信を持って答えています。映画の中で、入り口の原寸大シロナガスクジラ模型や、忠犬ハチの実物剥製が動き出したら・・・と考えるとわくわくしますね。いつか、実現する日は来るのでしょうか?

       (東京学芸大学附属小金井中学校  井谷 由紀)

次の記事 前の記事 [ 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 ]