『自分の"好き"を探究しよう!』
2019-01-14 20:46 | by 村上 |
『自分の"好き"を探究しよう!;
お茶の水女子大学附属中学校「自主研究」のすすめ』
40年続くというお茶の水女子大学附属中学校(以下、お茶中)の「自主研究」についての本です。「自主研究」とは、「自分の興味・関心があること、好きなこと、やりたいことを自分で決めて、自分のやり方で実行できる」学習です。
「やらされ感」のない学習。「やりたい課題」に「個人で取り組む学習」と、Ⅰ章の「『自主研究』の魅力」に説明があります。「駅弁を作ろう」などの生徒の実際の発表の図や写真つきの記録をご覧ください。それは好奇心の赴くままに自分の好きなことに取りくみ、やりたいことにつながっていく、中学生らしい研究のまとめです。「自分の好き」を調べるという生徒の自主性を重んじる姿勢と、個人を尊重しながらきめ細やかなサポートをする先生方の指導を改めて実感しました。生徒たちは自分のいちばん「好き」なことを調べるからこそ、自発的にやる気をもって取り組み、そして熟慮を重ねた指導を受け、幾度かの発表を通して、やる気を失わずに自分のテーマをより深めていきます。
お茶の水女子大学附属中学校「自主研究」のすすめ』
お茶の水女子大学附属中学校[編]
明石書店 2018年10月31日
明石書店 2018年10月31日
40年続くというお茶の水女子大学附属中学校(以下、お茶中)の「自主研究」についての本です。「自主研究」とは、「自分の興味・関心があること、好きなこと、やりたいことを自分で決めて、自分のやり方で実行できる」学習です。
「やらされ感」のない学習。「やりたい課題」に「個人で取り組む学習」と、Ⅰ章の「『自主研究』の魅力」に説明があります。「駅弁を作ろう」などの生徒の実際の発表の図や写真つきの記録をご覧ください。それは好奇心の赴くままに自分の好きなことに取りくみ、やりたいことにつながっていく、中学生らしい研究のまとめです。「自分の好き」を調べるという生徒の自主性を重んじる姿勢と、個人を尊重しながらきめ細やかなサポートをする先生方の指導を改めて実感しました。生徒たちは自分のいちばん「好き」なことを調べるからこそ、自発的にやる気をもって取り組み、そして熟慮を重ねた指導を受け、幾度かの発表を通して、やる気を失わずに自分のテーマをより深めていきます。
テーマも内容も方法も「自らが決定する」自由があり、生徒たちが生き生きと取り組むこの学習に、2003年度からの5年間、お茶中の学校司書を勤めたときに出合いました。生徒一人ひとりのテーマの自由さにまず驚いたのを覚えています。草津温泉、リカちゃん人形、アニメ映画などのテーマから入った生徒もいました。中学生の関心を決して否定せず、大好きなことを調べるという入口から入り、上級生の指導を受け、グループ内の発表、ポスターセッションを行い、大学講堂での三年生の発表を見聞きし、また上級生の反省点も聞き、という過程を経て、2年半ほどの時間をかけてまとめていきます。その生徒たちの姿を、図書館での調べ方や資料提供という学校司書の仕事を通して見つめました。
卒業時には自主研究集録にまとめて印刷製本され、それを持って新しい世界にとびたちます。集録は各教室にも学校図書館にも置かれます。学校図書館も生徒たち、そして先生方を支援します。Ⅶ章の「将来につながる自主研究」の卒業生の自由記述の中に、「司書の方に参考になりそうな本をたくさん入れていただいた」という記述もありました。
(東京学芸大学附属特別支援学校司書 田沼恵美子)