世界の選挙を調べるけれど・・・
2024-11-07 11:14 | by 渡辺 |
高校2年生の生徒がカウンタ―にやってきました。
「公民で世界の選挙を調べるんですけど、それぞれ担当の国が割り当てられて、僕はパラオなんです。だけど、ネットで調べてもなかなか見つからなくて・・・。フランスやカナダなど、資料が簡単に見つかりそうな国を担当する人が、ほんと羨ましい!」
と、情報が少ない国にあたった嘆き&ぼやきがしばらく続きました。
司書「でも、パラオの選挙なんてまったく知らないことを調べるのって面白そう!とりあえず、世界の選挙制度の棚をみてみましょう!」
と3類の棚へ行き、蔵書を確認しました。
『話たしたくなる世界の選挙』コンデックス情報研究所 清水書院 2016年
『世界の選挙制度』大林啓吾 編著 三省堂 2018年
生徒の予想したとおり、「世界」とタイトルには書かれていても、欧米の国々やインド、ブラジル、オーストラリアなど、ある程度人口の多い国々しか掲載されていません。
そこでネットで検索をしました。
*レファレンス協同データベース→パラオの選挙についてはなし。
*CiNiiの文献→閲覧できる文献が1件。
「キリバス共和国とパラオ共和国の大統領選挙と台湾との外交関係」浅野和生
生徒「へぇ~、CiNiiの文献は調べてなかったです。この文献は大統領選についてだけれど、パラオの選挙制度についても解説されてますね!」
と、憂鬱そうな表情が少し輝いてきました。
司書「では国会図書館のデジタルコレクションも確認してみましょう!」
と調べてみると、雑誌「パシフィックウェイ:太平洋諸島の情報誌」太平洋協会発行
の149号の記事に「パラオ総選挙報告」という記事が見つかりました。
生徒「わ~、国会図書館のデジタルコレクション、はじめて見た!こんなに色々資料があるなんて、これから何かあったとき使います!」
と大喜び。資料がまったくない状態から、複数のPDF資料が手に入り、後日パラオの選挙についての発表は無事できたと報告に来てくれました。
(東京学芸大学附属国際中等教育学校:司書 渡邊 有理子)