おすすめのジャンルはこれだ!?ファンタジー職フローチャート

2024-04-04 00:00 | by 金澤 |

 京都府丹後地域の府立高校の司書で取り組んだ、「ファンタジー職 フローチャート」を利用した読書案内について、京都府立大江高等学校の司書、坂本恵理さんに紹介してもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 「どうすれば普段読まないジャンルの本にも興味をもってもらえるか」というのはどこの学校でも悩みの種ではないでしょうか。「本は読むけれどライトノベルが中心」という生徒たちに対して、もっと他のジャンルにも興味を持ってもらいたいという目的で、2018年に京都府丹後地域の府立高校司書7名でおすすめ分野の診断フローチャートを作成しました。なぜ「ファンタジー職」なのかというと、ライトノベルやゲーム、マンガにつきもののファンタジー要素であれば、想像もしやすく、生徒の興味を引けるのではないかと考えたからです。
 このフローチャートは、はじめに中央にある色がついたマスから好きなものを一つ選ぶところからスタートします。Yes/Noで質問に答えていき、最終的に0~9の番号に行き着きます。この10個の数字はNDCの第1分類になっており、診断ではあなたのファンタジー職タイプにちなんだ分野をおすすめします。(例えば0番の「魔王」タイプは「総記」の棚にある本を読んで様々な知識を身につけよう!という感じです)
 魔方陣のアイデア、キャラクターデザイン、レイアウト、質問の項目、診断結果等すべて7名の司書による合作です。質問・診断結果と分類とを結びつけるのに大変苦労しました。また、「好きな色」と限定せず「その日の気分」で選んでもらうようにしたのは、日ごとにスタートを変えれば何度でも挑戦できるからです。(色はカラー心理テストの本を参考にしました)何回でも楽しんで、その分きっかけも増えればいいなと思っています。
作成後は府高の司書部会で配布し、各学校で必要に応じて廊下や図書館内で掲示してもらいました。掲示された学校から友人や先生方と一緒に診断をし、フローチャートが話題づくりに役に立ったという反応をいただきました。本校でも掲示をして5年くらい経ちますが、今でもたまに診断をしている生徒を見かけます。最近では、教員と図書委員のおすすめ本紹介の表紙として活用されている学校もありました。

 ただ、どこの学校も診断自体は楽しんでもらえていても、なかなか該当する分類の書架へ行き本を探すところまでは導けず、直接読書へつながっていないのが現状です。読書へ誘うにはもう少し具体的な図書を薦めるなど、フローチャートとあわせて何か工夫が必要かと感じています。
 今回紹介したフローチャートおよびキャラクターは、図書館総合展2023の企画にも参加させていただきました。以下のURLよりダウンロードしていただけますので、ぜひご活用していただけますと幸いです。

NDCファンタジー職キャラクターズ | 図書館総合展https//www.libraryfair.jp/character/2023/101

       

(京都府立丹後緑風高等学校 久美浜学舎の写真)

 

                   (京都府立大江高等学校の写真)

(京都府立大江高等学校 司書 坂本恵理)


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