芭蕉の時代の旅について調べよう!
2023-11-10 15:22 | by 村上 |
中学3年生は、国語で『おくのほそ道』を学習します。国語科の先生でもある司書教諭の先生と、雑談モードのなかで「これから『おくのほそ道』を学習するので、図書館の資料やネットの情報を使って江戸時代、庶民がどのように旅をしていたか3学期にやってみたい」という話になりました。『おくのほそ道』関連の書籍や、江戸に関する資料もある程度揃っていますが、「旅」に絞って授業で調べたことはありません。芭蕉が生きた時代を理解する上でも、面白そうです。準備期間に余裕があるので、使えそうな資料を少しずつリストアップすることにしました。日ごろ、授業がらみで資料を集める時にどんな手順で行っているかを紹介します。(目新しい話でもありませんが…。)
① 自校の蔵書を調べる。古典コーナーに9類の『おくのほそ道』関連の本は集まっていますが、それ以外で使えそうなものがないかは、江戸や旅をキーワードにOPACで検索してみます。すっかり入れたことを忘れていた『現代訳旅行用心集』(桜井正信監訳 八坂書房)が見つかったりします。2類の歴史にも、江戸時代の文化を扱った本が見つかります。3類の風俗・習慣にも江戸時代の生活に関する本が並んでいました。そういえば、絵本コーナーにある『絵本江戸のたび』(太田大輔作 講談社 2019)も、今回は役立ちそうです。
② GAKUMOPACを検索する。附属学校と大学図書館の蔵書を横断検索できるので、他校にどんな資料があるかを見ることが出来ます。学内便で貸してもらうこともあれば、同じ本を地域の公共図書館から借りることもあります。
① 自校の蔵書を調べる。古典コーナーに9類の『おくのほそ道』関連の本は集まっていますが、それ以外で使えそうなものがないかは、江戸や旅をキーワードにOPACで検索してみます。すっかり入れたことを忘れていた『現代訳旅行用心集』(桜井正信監訳 八坂書房)が見つかったりします。2類の歴史にも、江戸時代の文化を扱った本が見つかります。3類の風俗・習慣にも江戸時代の生活に関する本が並んでいました。そういえば、絵本コーナーにある『絵本江戸のたび』(太田大輔作 講談社 2019)も、今回は役立ちそうです。
② GAKUMOPACを検索する。附属学校と大学図書館の蔵書を横断検索できるので、他校にどんな資料があるかを見ることが出来ます。学内便で貸してもらうこともあれば、同じ本を地域の公共図書館から借りることもあります。
調べてみると、附属小学校が『旅からわかる江戸時代』(河出書房新社)というシリーズものを所蔵していて、その2巻目が庶民の旅について書かれていて、テーマにピッタリ!可能であれば、お借りすることにしました。
③ 世田谷区の蔵書を検索する。区の図書館からは200冊、3か月借りることができるので、不足の資料はいつもお世話になっています。予約をかければ、翌々日ぐらいには貸出の準備が整うので、附属の学内便を使うより早かったりします。国立附属は、配送まではしてもらえないので、自転車で取りにいきます。幸い近くて苦にはなりませんが、遠かったりしたら大変ですよね。公共図書館の学校支援サービスは、自治体によってまちまちです。同じ国立附属でも、練馬区は学校まで届けてくれるそうです。
⓸ レファレンス協同データベースで調べる。いつもというわけではありませんが、今回のように教科書教材で、しかも有名な『おくのほそ道』です。芭蕉の旅や、江戸時代全般の旅についてのレファレンスはきっとあるに違いないと、検索してみました。参考になりそうなレファレンス事例がいくつか見つかりました。江戸時代に旅行のガイドブックはありましたか?という興味深いレファレンスも。参考になりそうな事例のひとつは、なんとこのデータベースの実践事例で「奥の細道の導入部分で、江戸の旅について紹介してほしいでした。肝心要の学芸データベース検索を忘れていました!
⑤ 新書マップを使ってみる 江戸の旅で検索をしてみると、江戸時代、庶民の旅のスタイルや困難を伴った女性の旅、そして幕府が設けた関所の実態など、昔の旅や宿の姿について‥とあり何冊かの新書がでてきました。『江戸庶民の旅 : 旅のかたち・関所と女』(金森敦子著 平凡社新書)は2002年の出版ですが、当時女性が旅に出ることは可能だったのかについて調べてみたいと思う生徒がいるかもしれません。こういう授業があると、明治の初期に東北を旅したイザベラ・バードを主人公に描いた漫画『ふしぎの国のバード』(佐々大河作 KADOKAWA)に関心を持ってくれる生徒もでてくるかもしれません。8巻まで入れて止まっていたので、残りも購入しなくては!
番外編 この資料は使えそう!と思った場合は、アマゾンで検索をかけてみることもよくあります。”よく一緒に買われている本”情報が役立つからです。あちこち調べているうちに見つけたのが、『宿場町の一日』(いわた慎二郎作 講談社 2023)です。こちらも絵本ですが、旅の服装やもちもの、宿での過ごし方など江戸時代の旅の様子が絵でわかるとあります。これは発注をかけてみました。
本が集まったら、ブックリストをつくり、また先生と本を前に相談しようと思います。今年は夏の研修で、ジャパン・サーチの使い方も学んだので、もしかしたら役立つかもしれません。レファレンスは先生との雑談がスタートとも言えます。そして現在、学芸データベースが連携しているのが、BookReachです。自校の蔵書から教科書単元に沿ったブックリストが簡単につくれるというのがウリです。ただし、まだ今回のようなテーマでは難しいので、この授業が実際に行われた場合には使った本のリストをこのBookReachに反映させる予定です。
③ 世田谷区の蔵書を検索する。区の図書館からは200冊、3か月借りることができるので、不足の資料はいつもお世話になっています。予約をかければ、翌々日ぐらいには貸出の準備が整うので、附属の学内便を使うより早かったりします。国立附属は、配送まではしてもらえないので、自転車で取りにいきます。幸い近くて苦にはなりませんが、遠かったりしたら大変ですよね。公共図書館の学校支援サービスは、自治体によってまちまちです。同じ国立附属でも、練馬区は学校まで届けてくれるそうです。
⓸ レファレンス協同データベースで調べる。いつもというわけではありませんが、今回のように教科書教材で、しかも有名な『おくのほそ道』です。芭蕉の旅や、江戸時代全般の旅についてのレファレンスはきっとあるに違いないと、検索してみました。参考になりそうなレファレンス事例がいくつか見つかりました。江戸時代に旅行のガイドブックはありましたか?という興味深いレファレンスも。参考になりそうな事例のひとつは、なんとこのデータベースの実践事例で「奥の細道の導入部分で、江戸の旅について紹介してほしいでした。肝心要の学芸データベース検索を忘れていました!
⑤ 新書マップを使ってみる 江戸の旅で検索をしてみると、江戸時代、庶民の旅のスタイルや困難を伴った女性の旅、そして幕府が設けた関所の実態など、昔の旅や宿の姿について‥とあり何冊かの新書がでてきました。『江戸庶民の旅 : 旅のかたち・関所と女』(金森敦子著 平凡社新書)は2002年の出版ですが、当時女性が旅に出ることは可能だったのかについて調べてみたいと思う生徒がいるかもしれません。こういう授業があると、明治の初期に東北を旅したイザベラ・バードを主人公に描いた漫画『ふしぎの国のバード』(佐々大河作 KADOKAWA)に関心を持ってくれる生徒もでてくるかもしれません。8巻まで入れて止まっていたので、残りも購入しなくては!
番外編 この資料は使えそう!と思った場合は、アマゾンで検索をかけてみることもよくあります。”よく一緒に買われている本”情報が役立つからです。あちこち調べているうちに見つけたのが、『宿場町の一日』(いわた慎二郎作 講談社 2023)です。こちらも絵本ですが、旅の服装やもちもの、宿での過ごし方など江戸時代の旅の様子が絵でわかるとあります。これは発注をかけてみました。
本が集まったら、ブックリストをつくり、また先生と本を前に相談しようと思います。今年は夏の研修で、ジャパン・サーチの使い方も学んだので、もしかしたら役立つかもしれません。レファレンスは先生との雑談がスタートとも言えます。そして現在、学芸データベースが連携しているのが、BookReachです。自校の蔵書から教科書単元に沿ったブックリストが簡単につくれるというのがウリです。ただし、まだ今回のようなテーマでは難しいので、この授業が実際に行われた場合には使った本のリストをこのBookReachに反映させる予定です。
(附属世田谷中学校 村上恭子)