2017「学校司書のための研修」より、「理科年表」をフル活用!

2017-09-04 14:12 | by 松岡(主担) |

7月に行われた「学校司書のための研修」の一講座として杉並区立中央図書館の佐川祐子氏をお迎えして
「学校図書館でのレファレンスとは」というテーマでお話していただきました。

後半にグループワークでレファレンス事例に取り組む時間があり、
提示していただいた例題をもとに必要な情報源を導き出して回答を探すという課題に挑戦したのですが、
その中で参加者の多くの方がその活用方法に驚いた参考図書「理科年表」をご紹介します。









「理科年表」(平成29年)
国立天文台 編
丸善出版

「理科年表」は国立天文台が編纂する科学データブックで多くの学校図書館でも所蔵されているデータブックのひとつではないかと思います。
科学の分野である天文、物理学、化学、地学、生物学、環境のあらゆる情報が一冊に凝縮されているので多彩に活用できるはず…ではあるものの私自身あまり手にとることはありませんでした。

種明かしにはなってしまいますが今回のグループワークの課題のひとつに
「東京~北京間の距離が知りたい」
という問いがあり、その回答例に挙げられた参考図書が「理科年表」でした。
地学の地理項目の中に「おもな首都間の距離」があり、そこでこの回答が得られる、というものです。

グループで話し合いながらの探索だったので
「地図を見て測ってみようか」
「飛行機の航路のようなものが載っている本があればわかるのではないか」
「空路と陸路では距離が変わってきてしまうけど、どの距離が知りたいんだろう?」
とあれこれ思案してみたものの残念ながら回答には結びつきませんでした。
回答を知って多くの参加者から「なるほど!」と驚きの声があがりました。
身近なところにこたえがあってもたどり着くまでの道筋がわからないと回答を得られない、
という自らのスキルアップの必要性も痛感しました。

「理科年表」の他にも佐川さんのお話の中でWeb上にも活用できるデータベースが多くあることや
情報を見つける手がかりとなるパスファインダーの提供など
今後のプラスになる手だてをたくさん教えていただきました。

便利な情報源を活用できるように、また相談があった時にすぐにひらめくように
腕を磨いていきたいものだ、と気持ちがひきしまった研修となりました。

(東京学芸大学附属小金井小学校司書 松岡みどり)


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