Library of the Year2016 受賞記念サミット in 紫波

2017-03-16 13:56 | by 中山(主担) |

  2017年3月12日,岩手県紫波町図書館において 
ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2016受賞記念サミットin紫波」が、開催されました。
  優秀賞を取った4館・団体が一堂に会したのはこれが初めてです。
大賞の兵庫県伊丹市のことば蔵、
大阪府の産業労働の専門図書館エル.ライブラリ、
オーディエンス賞をとった、私たち 東京学芸大学学校図書館運営専門委員会が
岩手県紫波町のオガールプラザにある紫波町図書館を訪ねての開催です。
 参加者は約50名。
熊谷泉町長挨拶、工藤巧館長挨拶ののち
前半が活動紹介とシンポジウム、後半に各館・団体によるワークショップが行われました。司会は紫波町図書館の吉田めぐみさん。
 翌日、岩手日報にも掲載されました。

 (写真提供は大門秀幸氏)

 以下、秋田県横手市立図書館の石川靖子氏のfacebook報告を許可を得て、一部変更、転載します。


■第1部:活動紹介とシンポジウム


 総合展では裏番組参加だったので、実際に受賞館のプレゼンを聴くのは初。短いプレゼンタイムにギュギュッとアピールをする4人のプレゼンターはさすが!としか言いようがなく、内容も素晴らしいものでした。

伊丹市立図書館ことば蔵
・交流フロア運営会議の中身をかいつまんで紹介くださる。3つの原則「無料」「だれでもOK」「読書やことばにつながる」ことであればなんでもよく、市民のアイデアが実現するしくみに、ただただ驚いた。図書館の人は何もしてない、市民の皆さんがと小寺和輝氏はおっしゃっていましたが、それはもちろんだけど、図書館側の強烈なファシリテーターぶりがあってのことだというのは、第2部のワークショップを体感したからわかるのでした。

東京学芸大学学校図書館運営専門委員会
・既に有名なデータベース。学校図書館の初受賞。お会いしたかった中山美由紀さんのお話でした。「ひらくつなぐそだてることで子どもたちの学びを支える」と。

大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)
・MLA融合型図書館をアピール。資料は使ってもらってなんぼと。80%は寄付金で運営されているのは、ただただ関わる人々のおもい。熱きプレゼンは制限時間を超えてなお(笑)
谷合佳代子さんには、名古屋で開催されたひったま(?)の時にお会いしてからの再会!とはいえ当然忘れられているので、またお会いできて嬉しいかったですー

紫波町図書館
・公民連携。「連携をつくること」「情報をつなぐこと」「まちをつくること」紫波町の取り組みは、何度か聞いているけれども、いつ聞いても、その熱意に圧倒されるあまりにもたくさんの取り組み。プレゼンテーターは藤原幸恵さん。

4館のプレゼン後、紫波町図書館は手塚美希さんが登壇してのシンポジウム。まとめ役は平賀研也館長。「つながる」が4人のプレゼンのキーワードだったこと。今回の受賞4館に言えること。図書館単体ではなく、地域をつくる出発点に図書館が!
“図書館は市民が知ることの入り口に。そんな下支えとなる場所に”の言葉が残りました。

■第2部:4館の取り組み体験ワークショップ
私が体験したのはことば蔵さんの小寺さんと中山さん。
名ファシリテーター小寺さんによるミニ運営会議。わが町の特徴と自分が興味を持ったイベントを書き出す。各自がバラバラに書き出しものを、組み合わせてあんなことやこんなことができないかと、小寺さんにリードされながら、参加者が意見を出し合う!面白い~小寺さん凄すぎです……

中山さんは、小学校4年生にNDCを説明することを模擬的に。なんて、わかりやすい!最後にNDCを歌う♪きらきら星のメロディーに合わせて♪

 ちなみにあと2つのワークショップは以下のとおり。

 エル・ライブラリ「史料を読み解こう!100年前の労働争議嘆願書とパスポートからわかること」
 100年前の手書き嘆願書から、実は世界史が読み解ける。大正時代の労働組合幹部のパスポートには謎がいっぱい。参加者とともに一次資料から歴史を読み解き、考える。

 
 紫波町図書館「こんびり(おやつ)カフェ」
 JAいわて中央、農林課、農林公社との企画。農作業の合間に中間食を食べながら休む「小昼=こんびり」風習のように、農家さんがつくったこんびり(おやつ)を食べながら、業種、地域を超えて、ただただ自由に語り合うサロンの実施。


■第3部
盛りだくさんの内容を抱えて、意見交換会へ!お話したかった皆さんへご挨拶もそこそこに、あちらこちらで大盛り上がり。


このシンポジウムを今日で終わらせない!と話す谷合さん!カッコいい。
眩しい人々に囲まれて過ごした時間は、なにものにもかえられない。やっぱり、「人」なのです。



 本委員会での活動報告では以下の点を伝えました。

・教員も学校図書館の利用者であること
・データベースには図書館活用授業の収集の他にも、沖縄から北海道までの今月の学校学校図書館や日常を伝える記事があること
・WEBの広場で学校現場がつながること、
未来を見据えて、
これから教員・司書になる人も、図書館同士も、博物館などの社会教育施設などともつながること
・このDB見ることでも、事例アップすることでも、現場のスキルアップにつながっていること
 などなど。 
ちらし20170312LOY2016受賞記念サミット .docx

 ワークショップは小学校4年生に行う、日本十進分類法(NDC)の説明をした後で、
仕上げに 参加者皆さんとNDCの歌(キラキラ星の替え歌)を歌いました。
この替え歌は、大阪府豊中市の学校図書館の方々が歌っておられるものをもとに一部改変しております。
 
(  動画  音声がでます。ご注意を。)

 
合わせて、上記4館・団体とライブラリアン・シップ賞を受賞した佐賀県伊万里市民図書館と鳥取県立図書館の企画展示
つながるとしょかんとつながる ライブラリー・オブ・ザ・イヤー2016受賞館展」が、3月いっぱい行われています。
 
 このようなライブラリー・オブ・ザ・イヤー受賞館の受賞理由や活動を展示することには、大きな意味があるとして、図書館総合展での展示も有効ではないか、また各地循環もいいのではないかと関係者間での話題となりました。

【関連情報】(2017年3月21日確認)
 岩手日報 2017年3月13日 
「図書館の未来を語る」
 岩手タイムス 2017年3月15日 「優秀賞4者でサミット ライブラリー・オブ・ザイヤー」
 りしぶる 「ライブラリー・オブ・ザ・イヤー in 紫波 が開催されました」(りしぶる実行委員会 サイト提供・支援富士通システムズ・アプリケーション・ソフト)

 


 東京学芸大学附属小金井小学校司書 中山美由紀






次の記事 前の記事