高校図書館からの発信!

2017-07-11 11:04 | by 村上 |

6月は、高校図書館の司書が執筆・編集した本が立て続けに出版された。

 『読みたい心に火をつけろ;学校図書館大活用術』 木下道子著 岩波ジュニア新書 2017
 自らも本に救われた経験を持つという著者が、高校の学校司書として過ごしてきた年月を振り返りながら、高校図書館の魅力と学校司書の仕事をたっぷり語ってくれる1冊。
 小中学校に、非常勤ながら多くの学校司書が入りつつある今だからこそ、すべての学校図書館の司書が連携し、さらに公共図書館や地域とつながっていくことで、学校図書館の可能性はますます広がっていくにちがいない。そんな元気をもらえる1冊。


 『図書館デイズ;生徒と司書の本をめぐる語らい』 成田康子著 ちくまプリマー新書 2017
  北海道・札幌南高校の13人の生徒さんたちと、司書である成田さんが図書館でかわした話をもとに構成されている。ここに書かれたようなきわめて個人的な思いを、彼らはなぜか話したくなる…それは、図書館が、誰にでも開かれていて、何かを強制されることもなく、自由な気持ちで過ごせるしかも本のある空間であり、そこにいつでも耳をかたむけてくれる司書さんがいるからだろう。そんな図書館をつくっている同業者の皆さんは似たような風景をきっと見ているに違いない。


 『学校図書館司書が選んだ小中高生におすすめの本300;なるにはBOOKS別冊』 ぺりかん社 2017
 東京・学校図書館スタンプラリーが始まったのは、2012年のこと。今年は6回目となる。これまでのスタンプラリーで作成・配布した5冊の読書案内小冊子から300冊を厳選したものが、1冊の本となった。司書が作っただけあり、おすすめの本は、分類番号順となっている。日頃、中高生に本を手渡している現場の学校司書・司書教諭が選んだ自信のラインナップ。
  今までは、学校図書館関連の本は、運営する司書・司書教諭に向けて書かれたものがほとんど。ところが今回は、3冊とも中高生に向けて書かれている。特に先に紹介した2冊は、どんなふうに読んでくれるのだろうか?

  今年も、東京・学校図書館スタンプラリーが7月15日から始まる。志望校を決めるさいに、ぜひその学校の図書館もじっくりと見てほしい。施設が立派であるかよりも、棚が生き生きしているか、生徒に使われているか、展示に工夫がみられるか、授業でどれだけ使われているか…など見てきてほしい。

文責 附属世田谷中学校司書 村上恭子

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