3・11 本を送る、お話しを届ける

2011-05-07 23:12 | by 中山(主担) |

 東日本大震災から2カ月多くの本を送る活動があったし、今も活動中である。saveMLAK(博物館・美術館、図書館、文書館、公民館の被災・救援情報)には、「被災地に本を送る活動>様々な取り組み」として、32の活動が登録されています。(以下の情報もすべて、2011515日の確認情報です。) 


 「こんな時だからこそ、出会う本が人生の支えになる」気仙沼市の司書・山口さんはk語っています。「食べ物は食べたらなくなるけど、本は読んだ記憶が残ります。」とシャンティ国際ボランティアの東日本大震災ニュース・リリースvol.15にありました。(http://sva.or.jp/press/20110406.pdf )疎開先で父がおなかをすかせた我が家にパンではなく地図を買ってきた…という絵本『お父さんのちず』(ユリ・シュルビッツ あすなろ書房 2009年)のテーマと重なる言葉です。

 私はこれを3/14には立ち上がっていた 「被災地の子どもたちに届けたい本@ウィキ」 http://www45.atwiki.jp/slls/pages/1.html(河西由美子氏とSLLS(学びの場としての学校図書館)研究会有志)に書き込みをしました。ほかはどれもが子どもたちに届けたい本だったし、いくつかを選びだすことができずに、唯一挙げることができた本でした。子どもたちへというより、子どもたちへ本を届けようとする人々への本だったのかもしれません。 

 この「被災地の…」プロジェクトは、届けたい本をウィキで募り、ブックリストを作成して、本を送ろうという活動で、既に福島の学校と幼稚園に高校生デザインの素敵なステッカーを貼って寄贈しています。多くの方々が推薦したブックリストもサイト内からダウンロードできるようになっています。

 福島県のK小学校の司書教諭Oさんは、学校の勤務の傍ら、避難所に本を届け、おはなし会をするボランティア活動を積極的にされており、福島の様子をブログにつづっています。http://blog.goo.ne.jp/gakuto_001  4/24「読むこと」に、震災直後からボランティア活動に至った心の動きを書いておられました。Oさんが出会ったのが「ひがしにほんに本をとどけよう!みんなおなじ空の下で」http://www.kodomiru.com/index.html (子どもと見る風景 kodomiru)です。3/12には構想を表明し、3/16には立ち上がっていました。

  3/24  「3・11 絵本プロジェクトいわて」http://www.ehonproject.org/iwate/project.html  JBBY(日本国際児童図書評議会)とかかわりの深い末盛千枝子氏(すえもりブックス代表)が代表となり、被災地の子どもに絵本を届けるプロジェクトが発足しました。

  3/25 「ユニセフ ちっちゃな図書館プロジェクト」 http://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0325_02.htm (日本ユニセフ協会)が絵本・紙芝居・児童書を集め始めました。4/1には予想を上回る寄贈本が届き、送先が編変更になるほど。4/5には寄贈本受付終了。現在は被災地からの要望を受け付けています。第1便は4/4に石巻市の避難所に届けられました(第24報)。4/25の第41報に陸前高田市、5/11の第53報には女川町の様子が報告されています。 

 「おはなしお届け隊」 http://ohanashi.org/ (東京学芸大学非常勤講師の本間ちひろ氏代表)の4/24発送作業終了の写真は本学内です。本を届けると同時に、音でお話を届ける2つのプロジェクトを進めています。


 
 避難所では、どのように本が読まれているのでしょうか。正式な貸出は難しいのならと、図書館海援隊の皆さんと共にアイディアをだした方法は、こちらです。http://p.tl/ROdd  しかし、本がおくられていても段ボールからでていなかったり、中には古本だったり、内容的に?だったりすることもあるようです。避難所にいることも流動的だったりするので、もらってもらうことがいい場合も多いのでしょうね。逆に避難生活にモノは増やしたくない思いの親もいるようです。読みあってくれればよいのですが。

 Oさんのブログを読むと、高校生やお年寄り、親子などその人を見て、声をかけてその人に合いそうな本を手渡すことがやはり大事だと感じます(4/3 報告3)。5/2に東京都から多くの教員が被災地に派遣されましたが、できたら本と人をつなぐ司書の派遣があったらいいのにと思います。

 避難の長期化を考えると、読み聞かせもポンと行った人がやって帰ってくるというより、そこの避難所や被災地で生活する人々が継続的にできるような活動や環境を整えていくことも、考えていってもいいように思いました。

 小さい子だけの本が必要なのではありません。ティーンズの読書環境も考えていきたいものです。そして、学びのための読書の保障も。
  「被災した学校図書館へ 本を「贈ろう」」http://p.tl/zf7p (非営利特定活動グループ あくせす・ぽいんと)関西大学の有志が、小学校高学年以上中高生の本を集めて、学校図書館に本を送ろうとしています。
 科学書を送るプロジェクトというのも見つけました。 企画書 http://p.tl/XX 
 全国SLAも学校図書館再建の支援の準備中です。http://www.j-sla.or.jp/news/sn/post-24.html 

 多くの新本が被災地に届けられるのは、素晴らしいことですが、2つ心がけたいと思うことがあります。
 1.できうる限り、受け入れる側の登録・装備(登録・分類・ラベルやブッカ―)を支援する。
    (特に学校図書館。ゴールデンウィーク中に東松山市立図書館は寄贈された本の装備ボランティアを募集していました。)
 2.「本を送る」ことから、被災地で本を買うような支援の仕方に移行しよう。
    (被災地の書店はどうなっているだろうか? 本を送ることで、経済復興の邪魔をしてはいないだろうか?)

 職能としては「図書館」、組織としては「学校」。そして多くが一人職種。なかなか学校図書館員の支援活動は、手応えある活動になりにくいのかもしれませんが、おそらく、みんながなにかできることはないかと、遠くにいる者はいろいろなプロジェクトに本を送ったり、募金したり、3月から探っているのだと思います。多くの学校図書館員にとって、なにか動けるとすれば、おそらく、夏休みが1つの機会になることでしょう。

 追伸 saveMLAK(博物館・美術館、図書館、文書館、公民館の被災・救援情報)もご覧ください http://savemlak.jp/ 。 誰でもが書き込める「ウィキ」スタイルで情報の入力や更新をし、救援アイディアを探り、活動しています。6月4日10時より、東京大学教育学部267室にて、まずは入力編集してみようと、学校図書館強化の「第4回うきうきウィキ祭り」開催します。 http://p.tl/3qIy また、5月21日11時~12時、日本図書館協会2階研修室にて学習会もあります。
                                                      (東京学芸大学附属小金井小学校 中山美由紀)
 

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