『学校図書館発!育てます!調べる力・考える力』

2011-08-11 10:00 | by 村上 |

学校図書館発 育てます!調べる力・考える力;中学校の実践から』
    遊佐幸枝 東京純心女子中学校・高等学校 専任司書教諭
    少年写真新聞社  2011 定価1600円 
 
 
 
 7月末に出版されたこの本は、まさに学校図書館を活用した学びで、どんな力をつけたいかが明確に示されてます。さらに、具体的に図書館を使った授業をどう組み立てていくかも詳細に書かれ、一緒に授業をした担当教諭の言葉も掲載されています。
 
 
 
著者である遊佐幸枝さんは、「授業や学校行事を援助出来る図書館」「生徒たちの読みたい・知りたい気持ちを育み、応援する図書館」を作り続けてきました。常に学校図書館専任職員の専門性とは何かと追究し続け、出会ったのがビッグ6スキルズモデルだったといいます。調べるとは具体的にどういうことなのか、どんなスキルを獲得できれば、生徒は自立的な学びの方法を獲得できるのか・・・。その問いに答えてくれる本です。
 
 この本は4つの章から成り立っていますが、第3章 「レポートの書き方を教える」で取り上げている具体例 ベートーヴェンレポートから は、学校図書館活用DBの事例番号A0064に掲載されているものです。この本をお読みになれば東京純心中学校図書館の学びの全体像が見えてきます。 
 
 学校図書館を授業で使う意味は、教科としての知識の定着だけでなく、調べる力・考える力を培うことにあると言えます。様々な教科でいろいろな使われ方が可能な学校図書館であればこそ、教科をつなぐ・あるいは学年をつなぐハブに成り得るというのが、遊佐さんの実感です。まさに学校図書館の可能性を可視化してくれた一冊といえます。巻末の解説は、国士舘大学 准教授桑田てるみさんです。


次の記事 前の記事 [ 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 ]