秋の恵みをいただきます!

2022-11-09 11:02 | by 松岡(主担) |

 今、私たちは幸いなことに1年中おいしいお米を食べることができますが、秋になり、お米のパッケージに「新米」の表示を見つけると特別な気持ちになります。
お米がおいしい今の季節に読みたい「おにぎり」が登場する絵本を紹介します。








『万次郎さんとおにぎり』
本田いづみ/文 北村人/絵
福音館書店 2018年

 万次郎さんが自分の田んぼでとれたお米を炊いておにぎりを作ります。10個のおにぎりに海苔をまきますが1個分海苔が足りません。万次郎さんがとだなを探していると「ああ、もう、まてねえぞう」とおにぎりたちがころりとおもてへ飛び出していきます。
 表紙のおにぎりは海苔が足りなかった最後のおにぎり。「いやじゃ、いやじゃ、はだかは いやじゃ」と散らばった海苔のきれはしをくっつけて9このおにぎりの後を追っていきます。
 実はおにぎりたちは万次郎さんのたんぼに向かい、おてんとうさまにお礼を言いに行ったのでした。
 ほんわかした挿し絵と軽やかな文章で楽しく読み聞かせできる絵本です。








『おにぎりをつくる』
高山なおみ/文 長野陽一/写真
ブロンズ新社 2020年

 料理家の高山なおみさんによる写真絵本。お米を研いで、ごはんを炊いて、おにぎりを握る工程がシンプルな言葉で紹介されています。登場するのはお米とお水と塩だけ(最後にちょっぴり味噌が登場しますが)。
 読み聞かせ絵本としてもレシピ本としても役立つ1冊です。読み終わるとおにぎりを作ってみたくなるかもしれません。








『おにぎり』
平山英三/ぶん 平山和子/え
福音館書店 1992年

 こちらは『たんぽぽ』『くだもの』などでも親しまれている平山和子さんが挿し絵を描いたおにぎりの絵本。『おにぎりをつくる』同様ごはんを炊いて、おにぎりをつくる工程が描かれています。こちらのおにぎりは梅干し入り。白と黒がメインのシンプルな絵本に赤い梅干しがアクセントになっていて、こちらも読んだ後におにぎりを作って食べたくなってしまう絵本です。

 今回紹介した3冊の絵本はどれもシンプルな構成の絵本です。おにぎりもとてもシンプル、だけどなんだか特別な感じのある食べ物だな、と思っています。
 おにぎりを題材にした絵本はたくさんあって、形式も乳幼児向けのものから物語仕立てのもの、ことば遊びになっているものなど様々です。新米がおいしい季節に「おにぎり本」を読んでみてはいかがでしょうか。
(東京学芸大学附属小金井小学校 司書 松岡みどり)

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