中学3年生が幼児に読み聞かせ体験

2023-01-11 14:00 | by 村上 |

 本校では、昨年初めて「絵本を通して、幼児とのかかわり、発達を考える」という授業を家庭科の先生が行いました。その際、実際に幼児に読み聞かせができないかと、地域の保育園に連絡をとってみたところ、学校のすぐそばにある「こころ保育園」が、幼児を連れて来てくださることになり、読み聞かせをすることができました。事例No.0402

 今年は2年目ということで、少し形を変えて授業を行いましたが、最後に幼児とのふれあい体験のなかで読み聞かせを行うことになりました。昨年より少し時間も延長になり、2歳児~5歳児クラスの幼児がそれぞれ先生に連れられて30分ほど多目的室に滞在します。

 まずは、読み聞かせする絵本を選ばなくてはなりません。来てくれるのは10人~14人ぐらいなので、ひとりの幼児に対して、中学生は3人ぐらいのグループになります。

 絵本選びの参考に、保育士さんにクラスでどんなことが流行っているか、どんなものに幼児が関心を持っているか聞いてみると、「虫」「恐竜」「のりもの」「スィーツ」等のお返事が返ってきたので、授業で用意した絵本に加え、公共図書館からお借りして、図書館にテーマ別に並べました。

 選んだ絵本をグループ内で紹介し合い、読み聞かせと手遊びの練習もしました。

 いよいよ当日、こころ保育園の子どもたちを迎えてのふれあい体験。トップバッターが2歳児だったため、慣れない場所にやってきた子どもたちがいきなり大泣き!でも、絵本タイムになるころには、慣れてきたのか笑顔も。むしろ「絵本」が強力なコミュニケーションツールになることを実感できたのかもしれません。

 この授業は、絵本としばらく離れていた中学生が、久しぶりに絵本に触れ合い、その良さを感じられる時間になったようです。授業感想を後日読ませてもらうと、絵本の読み聞かせ自体は、上手くいった生徒も、いかなかった生徒もいたようですが、幼児と触れ合う時間は楽しかったという感想が多く書かれていました。

 幼い子同様に自分も緊張したという生徒、思っていた以上に幼児は一人ひとり違っていることに驚いたという感想、そして、友達が上手に小さい子と遊ぶ様子や、保育士さんのプロとしての接し方にあらためて尊敬の念を抱いた生徒もいました。

 授業のために、たくさんの絵本を用意しましたが、どのクラスでも選ばれていたのは、長く読み継がれているものが多く、何世代にもわたって読み継がれる作品の力をあらためて感じました。学校図書館の絵本の棚も、少しずつ充実してきました。来年もこのような授業ができるといいなとおもっています。
(東京学芸大学附属世田谷中学校 村上恭子)

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