……かもしれない?

2024-01-12 13:43 | by 長友(主担) |

 「自分がこうだと思っていたものは、実は違うのかもしれない」
 ふとした瞬間にちいさな違和を感じたり疑問を抱く気がします。お風呂に入ってぼんやりしている時間や、眠りに落ちる少し前だったり、階段を上っているとき。自分は実は地球人ではないのかもしれない、とか、魔法が使えるかもしれない、明日の自分はネコかもしれない、とか。どこか哲学めいた答えのない疑問から、ほんとうは答えがわかっているはずのささいな事まで、いろいろ考えてしまうときというのは誰にでも一度はあるように思います。




「りんごかもしれない」(ヨシタケシンスケ,ブロンズ新社,2013)
  ある日学校から帰ってきたら、テーブルの上にりんごがおいてあった。……けれど、この「りんご」は本当に「りんご」なのか?りんごじゃないかもしれない。そう思った主人公はこのりんごかもしれないものについて考え始めます。




 他人が聞いたら笑い飛ばされてしまいそうな突飛でくだらない発想でも、疑い、考えるという行為は大切なことだなと思います。世の中は思い込みの間違いや「かもしれない」の可能性であふれています。この「かもしれない」という可能性はある意味無限大とも言えます。このりんごがどんな「かもしれない」を秘めているのかはぜひ本を読んで確かめてみてください。あるいは、自分で可能性を広げてみるのも楽しいかもしれません。


(東京学芸大学附属小金井中学校 司書 長友春陽)

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