読み聞かせの後で

2023-10-10 12:06 | by 金澤(主担) |

 2年生に『パパのしごとはわるものです』板橋雅弘(作)吉田尚令(絵)岩崎書店 を読み聞かせしました。
 ぼくは、パパの仕事を調べるために、こっそりついて行きました。パパが入って行ったのは、大きな体育館です。そこでやっていたのは、プロレスでした。ドラゴン・ジョージとゴキブリマスクが戦っています。ぼくは、ドラゴンを応援していましたが、悪役のゴキブリマスクの目を見てびっくり!パパが、悪役だったのです!「パパは悪者だったんだね」と悲しくなったぼくでしたが、パパの話を聞いて、パパがどんな気持ちでお仕事をしているかを理解します。
 
 いつもは、読み聞かせの後にすぐ読書ノートを書きますが、『読書家の時間』の実践を参考にし、今回は心が動いたところや好きだなあと思ったページなどを紹介してもらいました。
 
 『読書家の時間』自立した読み手を育てる教え方・学び方【実践編】プロジェクト・ワークショップ(編)新評論 この本は、子どもたちを読書家に育てる教室での取り組みが紹介されています。その中に書かれている1年生の実践で「読んだ本からお気に入りのところを探す」をやってみました。
 読み聞かせの後、最初のページから振り返って、心が動いたところ、好きだなあと思ったところを教えてもらいました。「戦っている場面がかっこよかった」「パパがわるものだったんだねと言ってぼくが泣いているところがかわいそうだった」「パパに肩車されて見ている夕日がきれいだった」など、いろいろな場面を教えてくれました。
 絵本の最後のページにお父さんの仕事を調べた絵日記が書かれています。その中に「パパみたいなわるものになりたいです」と書いた一文があります。その部分を読んだときに「え、悪者になりたい」って書いたら先生に怒られちゃうよ。とつぶやいた子がいました。すると「悪者の意味が違うんじゃない」という子がいました。みんなでおはなしを振り返ることで、一人で感じていたことが、友だちの言葉を聞いて、さらに深く考えることができるんだなあと思いました。
 読む本によっては、こういう時間をとってもいいのかなあと感じました。
(東京学芸大学附属世田谷小学校 学校司書 金澤磨樹子)

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