雨の日の読み聞かせ

2014-04-09 11:33 | by 渡辺(主担) |

 生徒たちは、雨の日は校庭で遊ぶことが禁じられます。そこで、元気が有り余る生徒たちが時間つぶしにやってくるのがメディアセンター。おかげで、雨の日のお昼休みの館内は、晴れている日の館内より若干(?)賑やかになりがちです。

ある雨の日、サッカー部の元気な中2の生徒たちがゾロゾロやってきました。
「司書さ~ん、暇だよ~。でも本は読みたくないよ~」
と言うので、「じゃあ、たまには何か絵本を読んであげようか?」
と言うと、「読んで!読んで!」とくいついてきました。
 
「じゃあ、この本はどう?」と紹介したのがこの本。

『ぜつぼうの濁点』原田宗典作.柚木沙弥郎絵 教育画劇

 この絵本は、ひらがなの国にくらす文字たちが登場人物。
そのなかで、濁点(、)は長年「ぜつぼう」という言葉の「ぜ」の濁点として働いてきましたが、
もし「ぜつぼう(絶望)」から自分がいなければ、「せつぼう(切望)」という悪くない言葉になれたのに・・・、と思い悩んだあげく、ある日濁点(、)は一人で旅にでます。
 あちらこちらの文字に自分を引き受けてくれるよう頼みますが、どの文字からも門前払い。
さて、濁点(、)を受け入れてくれる文字は・・・・・?

 この絵本は字が多く、“最後まで聞けるかな?”とあまり期待せずに読みはじめましたが、生徒たちは
「濁点、ばんばれよ~」「こいつを引き受けてやってくれ~」などと、絵本にむかって声をかけながら聞いています。最後にハッピーエンドに終わると、大きな拍手が。
「よかったなぁ、濁点!!」
文字の話だったので、帰国生にも面白く聞けたようです。
(東京学芸大学附属国際中等教育学校:渡辺 有理子)

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