写真絵本『つき』の奇跡はなーんだ?

2014-09-06 21:51 | by 中山(主担) |

 2014年の中秋の名月は9月8日。
来月、月の学習をするという4年生ですが、
担任の先生方に聞いたら、紹介してもいいよということだったので、
一足先に 『つき』(山田和著 福音館書店 1984) を読みました。

 三日月にはじまり、28日めの有明の月まで、毎日のお月さまが1ページに1つずつ、大きく写った写真で紹介されます。
 ページをめくるだけで、どこがかけて、どこがふくらんでいくかがよくわかります。

  各ページに書いてあることは2つのみ。
月が出るころと沈むころ。
朝早くに出て、夕方には沈んでしまうお月さまは、ほぼ太陽と一緒だからあまり見ることができませんね。
 月の出と入りの時間がずれていくのも、わかります。

  さて、この本は奇跡なんだよ!と、かつて本校にいらした先生に教えていただきました。
  どういうことでしょう。
 

  現在、4年担任の草野健教諭は、かつて子どもたちに月のスケッチを毎日取らせて、授業でこの本の月の写真と比べてみるということをしたことがあるそうです。

 毎日、観察してスケッチしてみるとしましょう。
昨日も晴れ、今日も晴れ、明日も晴れ…
雨降るときや 曇りの時もあるかもしれないですね…
と、すると、スケッチできない日もでてきますね。

 そうです。毎日のお月さまが、
連続してきれいな姿で、写真に撮れることは、なかなかなさそうです。
 〈一点の曇りなく、毎日の月が鮮やかに写せたこと〉
それが、この本の奇跡なのです。

  「この本は奇跡の写真絵本です。何が奇跡なのか、読み終わったら聞きますね。」と、前置きしたら、ちゃんと何人か答えてくれました。

 あわせて、紹介したのが
『月のかがく』 えびなみつる著
渡部潤一監修 中西昭雄写真 旬報社 2011年

月の地図も出ているのですが、
満ち欠けのところで、上弦の月、下弦の月、立待月、居待月、寝待月の話もしました。高校になると古典でそういうお月さまの話が出てくるかもしれないよ、と言って。

上弦の月 下弦の月の説明は、こちらの本を使いました。
『月のきほん』 白尾元理著 誠文堂新光社 2006年

 さて、2014年10月8日には
                皆既月食があるそうですよ。

   http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2014/lunar-eclipse.html

   http://www.astroarts.co.jp/special/20141008lunar_eclipse/index-j.shtml

  ちなみに『つき』(山田和著 福音館書店 1984年) は、入手不可です。学校にあったら捨てないで、ボロでも活用してみましょう。復刊が望まれます。

   (東京学芸大学附属小金井小学校司書 中山美由紀)

 

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