2024年11月29日2025年度入学調査  第2次選抜(発育総合調査)の結果

研究活動

幼小中連携研究(公開研究会)関係情報(2024/1/24更新)

今年度の竹早地区公開研究会(「未来の学校 みんなで創ろう。PROJECT」)は、2025年1月25日(土)に本地区にて対面で実施します。参加受付を開始しました。特設ホームページへは、こちらよりアクセスしてください。

幼小連携研究の概要

昭和38年度の「幼・小一体となった研究」に着手して以来、本校・園は連携を密にした取り組みを行ってきた。それをより深化させ、幼稚園の子どもが段差なく小学校に入学し幼稚園と同じ流れの中で生活が送れるようにすることを目的として行った研究が、平成2〜4年度にかけての文部省開発学校指定研究である。それは、幼稚園における「自由で伸び伸びとした活動体験中心の生活」と小学校の「45分で教科毎に区切られた時間割表に従った生活」との違いが、子どもの活動意識の自然な発達を疎外しているという発想に立って始められたものであった。その結果、小学校のあり方が大きく見つめ直され、小学校低学年の全教育課程に総合活動を位置づけるという構想が打ち出されることになった。この構想の中で積み上げられた実践の成果を生かし、平成8年度からは総合活動を3年生以上の全ての学年に位置づけ、総合活動を核とした教育課程を編成する研究に取り組んできた。

やがてこの研究は、それまで総合活動と教科・道徳・特別活動とを並列して教育課程上に位置づけていたものを、そういった“枠”にこだわるのではなく“子どもの学ぶ姿”に着目していくことの価値を考えさせるようになる。それが、平成11~13年度の「子どもにとって意味のある活動の追究」の研究である。
近年の研究は、これまでの子どもの側に立った活動及び教育課程の追究の成果を、それを構想し支援している教師の立場から見直してみようという意図をもって取り組んでいる。

研究の立場・特徴

  • (1) 学習活動が教科であるか総合であるかという“枠”にこだわらない

     低学年の体育で「忍者になろう」という教師の投げかけはよく行われている。子どもが忍者をイメージしながら、楽しく運動に親しむことができれば、それは活動の動機づけとしては成功したと言ってようだろう。このとき教師が期待している子どもの反応とはどのようなものだろうか。マット遊びに限定して、「くるくる転がりたい」というような反応だけを望んでいる場合があるだろうし、あるいは「木に登れるようにしたい」とか「足を速くしたい」とか「高く跳ぶ」「的当てもやりたい」といったように様々な運動に関わるものを望んでいる場合もあるだろう。
    このときもし、「先生、しゅりけんを作りたい」「刀も作りたい」といった反応があったらどうするだろう。教師の思惑とは別のところに子どもの意識が広がってしまったら、どうしたらよいのだろうか。もちろん子どもの反応を予想し、ある程度教師の懐の中で子どもが活動をすることを期待して、教師は導入を考える。しかし、いつもその範囲で子どもがおさまっているということはあり得ないだろうし、導入の善し悪しに関わらず、教師の思惑以外の反応はあるものだ。
    体育の活動のねらいとは別のものが出てきたときに、我々は、「それは授業のねらいとは異なる。」とか「教科の内容以外のものだ。」と、あっさり切ってしまうのではなく、もう一度子どもの出した求めを考えてみるようにしている。例えば、「しゅりけんを作りたい」「刀を作りたい」という反応があった場合、これらは体育科の内容ではないが、それらを行ったときにどのような価値が考えられるのかを考えてみるのだ。また、子どもの本当の求めがどこにあるのかを探ることも必要だろう。
    その結果、体育科の運動広場「忍者になろう」という単元構成から、もっと大きな活動の単元構成へとプランが広がっていく場合もあるだろうし、それが子どもにとってより意味のある活動となる場合も考えられるのである。

  • (2) 子どもにとって切実な問題を解決していく学習スタイルをとる

     活動を考えていくとき、子どもの求めをまず大事にする。そこに教師の願いを示し、子どもとその教師の願いの価値を共有するように努力する。その結果、価値が共有できなかった場合には活動として形作られることはないが、子どもとその価値が共有されれば学級の活動としてスタートすることになる。
    こうして生まれた活動の中では、子どもの切実な問題を明確にしていくようにする。ときにはそれにたくさんの時間を要する場合があり、ひたすら待ちの姿勢をとり続けなければならないこともある。またときには教師の強い“出”によって子どもの発想が広がり、問題がはっきりとしていくこともある。いずれにしても、子どもの問題が切実なものとなった活動は、まさに子どもの主体的な活動となって意欲的な学びが展開されることになる。

  • (3) 竹早小スタイルの学級経営案を作成し、年間の見通しをもっている

     本校の学級経営案は、単に学習指導や生活指導の方針を示したものではなく、1年間の具体的な活動の構想も含めて、担任のその学級への見通し全体を表すものとなっている。これは4月当初に作成され、この全体の見通しを基に子どもと活動をつくりながら、評価・修正をしていくのである。
    1年間を終えたときに、子どもたちと築いた生活・活動が表現された学びの履歴書ができあがる。これを2種類のファイルに納め、翌年以降に活用している。1つは、その学年付きとなってその子どもたちと一緒に持ち上がっていくものであり、翌年の活動を考えるときに参考にされる。もう1つは、学年毎のファイルである。歴代のその学年ではどのような活動を行ってきたのかを参考にする資料となる。
    このような学級経営案を作成するときに、ここ数年特に意識していることがある。それは、活動を書き表す表の縦軸に教科名をおくことをやめ、子どもが生き生きと活動に取り組んでいる姿から見い出した「学ぶ姿」を縦軸においたという点である。これは、教科・領域で仕切られた“枠”にこだわらないという意識を常にもとうとしているためであり、安易に学習指導要領や教科に活動の価値を求めず、その子どもにとってどのような意味があるのかをしっかりと吟味しようという私たち自身の意識改革のためでもある。

  • (4) 活動レベルで表現される時間割を子どもとつくる

     本校ではこれまでも、「総合活動を核とした教育課程の創造」の研究を進める中で、教科名で時間割を埋めるのではなく、活動名や単元名で時間割を構成してきた。それは、子どもとつくる活動を大事にしている以上、教科名をおいて固定的に毎週行われていく時間割の中で生活していくことには無理があると考えたからであった。その時々の活動に合わせて、子どもとの相談により作成されるフレキシブルな時間割は、子どもたちがより具体的に見通しをもてるものになっている。
    このような時間割への取り組みは、教科や総合といった枠組みにこだわらないという教師の構えを明確にしていくものともなった。

  • (5) 子ども自身が学期の活動を自己評価する … 生活の記録(通知表)

     本校の通知表である「生活の記録」は、子ども自身の自己評価を重視するスタイルをとっている。子ども自身が自らの学校生活に目標をもち、自分が取り組んだ活動に対して自ら評価し、さらに目標を再生していく主体者であると考えるからである。
    そこに、教師も保護者もコメントによる評価を加えることで、他者からの評価情報を受けながら、子どもの自己評価をより確かなものにしていくことができるようにしている。

特別の教育課程

「自己実現活動」(教育課程特例校制度)

本校で長年行われてきた幼小連携・一貫教育の研究の蓄積を基に、現行の学校教育制度にとらわれることなく、子どもの認知的・情意的・身体的発達の今日的実態や、学びや発達の連続性を踏まえて、文部科学省へ「特別の教育課程」の編成を申請・認可(教育課程特例校制度)を受けて「自己実現活動」という教科を新設した。

この新設教科「自己実現活動」は、子ども自ら課題や問題を見つけ、それを解決していく過程を重視した、教科横断的・総合的で探求的な学習活動であり、課題や問題を解決していく過程において、主体的で協同的な姿勢や態度を育成することを目標とするものである。また、幼児期から児童期の子どもの発達や学びの連続性を踏まえ、幼稚園教育における遊びを中心とした学習の芽生えから、活動に自己を関与させながら活動を内容的に発展させると同時に、学び方や活動への取り組み方を自覚的に深化させることを目標とする。

第1学年及び第2学年については、「国語」「算数」「生活」「音楽」「図画工作」「体育」「道徳」「特別活動」、第3学年及び第4学年については、第1学年及び第2学年の「生活」を除き、「社会」「理科」「総合的な学習の時間」「外国語活動」を加えた教科、第5学年及び第6学年については、第3学年及び第4学年の教科に「家庭」を加えた教科などの教科横断的・総合的な様々なテーマを取り上げ、自ら目標を見出し、他者との協同的かかわりのなかで、自己の目標の実現を探求していくための科目である。

「自己実現活動」の自己評価結果