今月の学校図書館

こんなことをやっています!

東京学芸大学附属学校図書委員会合同企画(中学校・中高一貫校)

2017-02-06 14:49 | by 井谷(主担) |

 東京学芸大学には、幼稚舎・小学校・中学校・高等学校・中高一貫校・特別支援学校と、様々な附属学校があります。1月後半から、3つの中学校+中高一貫校で、図書委員会の今年の活動をお互いに交換して展示してみることにしました。初めての試みに、図書委員だけではなく来館した生徒からも様々な反応があったので、各校の図書委員長と来館者から感想を寄せてもらいました。

附属小金井中学校の展示物⇒附属世田谷中学校へ
【ベスト オブ ポップ】  

10月の学芸発表会で、どのポップが一番読みたくなったか投票してもらったもの。
今回、世田谷中図書館入り口の目立つ場所に掲示していただきました。

<世田谷中図書委員長>
「小金井中学校図書委員会のPOPは、見た人の興味をそそるようなものでした。切り絵を使ったり、本に関するイラストを描いたりと、工夫がたくさんで、素晴らしいものでした。因みに、世田谷中学校でも、自己紹介を兼ねたPOPを紹介していますが、私たちの学校とは一味違うもので、とても参考になりました!そして、小金井中学校のPOPには、私たちの図書館にはない本も何冊かありました。このPOP紹介は、新しい本に出会える良い機会になったと思います。小金井中学校の皆様、素晴らしPOPをありがとうございました!!」

他の生徒の感想>

「立体的なPOPが素晴らしい!特にだまし絵のPOPが良かった。」
「キツネの絵がとっても綺麗で、目を惹かれました。POPなので、少し紹介文もあると良いなと思いました。」




附属世田谷中学校の展示物⇒附属竹早中学校へ
【2年生の課題研究とのコラボ企画】
 
半年かけてそれぞれが興味のあることを研究する課題研究で、『陽だまりの彼女』の書籍と映画の比較を行ったグループがいたので、その展示をしつつ、図書委員会主催で映画鑑賞会をしたそうです。
竹早は小中が一つの図書館なので、小学生たちも感心して見ていたとか。

<竹早中図書委員長>

「一つの作品をここまで深められているのは、本当にすごいと思います。竹早では一人一作品なのですが、こんな風にみんなで一作品を仕上げるのもいいかなと思います。またレイアウトにもこだわっていらっしゃって、とても素敵だなと感じました。私は読んだことのない作品だったのですが、思わず『読みたい!』と思うような作品でした。また、映画との比較も分かりやすくていいと思います。強いてあげるならば、字が細かすぎて見えなかったりしたので、もっと『まとめる』ということを意識してみてはいかがでしょうか?」

<他の委員の感想>

「小説と映画の比較が、分かりやすかった」
「一つ一つ手書きで書いているところが、温かみがあっていい」
「すごく詳しく書いてあるから『ネタバレ注意』って入れたほうがいいかも(笑)」
「レイアウト(特に映画のフィルムの部分)や色使いがとってもかわいい!」

「デザイン性があって、思わず足を止めて見てしまう」

「『陽だまり』の意味と作品中での意味が書いてあって、分かりやすい」

「すごく手間がかかっていて、素晴らしい」

<以前、世田谷地区でこの生徒を教えていたという現竹早小の教諭>
あらすじや相関図、映画との比較など、色々な視点から『ひだまりの彼女』の魅力が探られていて、面白かったです。

文字の見やすさや、紙面のデザインもよく考えられているなと思いました。」


 



附属竹早中学校の展示物⇒附属国際中等教育学校へ
【おすすめ本のポスター】

竹早中では、図書委員になると必ず自己紹介代わりにおすすめ本のポスターを書いて図書館内に掲示するそうです。B4サイズの力作が送られ、国際中等の館内を飾りました。

<国際中等図書委員長>

B4サイズで作ったのは凄い!これほど大きな作品に仕上げるのは自分たちだったら難しいと思う。しかも本の帯に書いてあることを丸うつしやアレンジした形跡がなく、自分でがんばって書いたことが感じられた。少々字が汚い人もいるけれど、パソコンではなく自筆の味わいがあってむしろいいですね。個人的には米澤穂信の『氷菓』を書いた人の作品が力作で気合がはいっていて素晴らしい。友達からもすすめられていた本だったが、あらためて読んでみたいと思った。紹介されている作品のなかで、国際中等でも買ってほしい本があるので司書さんに頼もうと思う」

 

<他の生徒の感想>

「本の紹介のテキストとイラストのバランスがよく、どれも見やすい」

「星の王子様を紹介したポップの描かれている絵が、本物の挿絵みたいでびっくり。ほかのポップも色の使い方が本のイメージを丁寧にあらわしていて、あらすじもわかりやすく書かれていて読みたくなる」

「氷菓を書いたポップは、説明が体言止めで書かれていて先が読みたくなる!」

「あらすじだけでなく、好きな場面について書くようになっていてさらに興味をもつことができた」

「ぼくも昔怪人二十面相シリーズをよみふけりました。少し古い小説ですが、ぼくのように今でも読んでいる人がいてうれしかった」

「『氷菓』の絵のクオリティが高い!」

「手書きって温かみがあっていいですね。しいていえば、紹介した本が館内のどこにあるのか分類情報を加えたら利用者にも便利だし、図書委員会のポップらしくなったと思います。」

「一つ一つ丁寧に書いてあって、絵のクオリティーなどもハンンパない」

「全部カラフルだけど、絵がシンプルなものが多くてポップにむいていると思う」



附属国際中等教育学校の展示物⇒附属小金井中学校へ
【小さな卓上ポップ】
 

国際中等の図書委員さんからは、本の前に立てられる小さなかわいいポップがやってきました。宣伝のために拡大コピーしたものを廊下に貼り出し、実物は館内に本と一緒に展示しました。
 さらに、とてもカラフルで素敵な図書委員新聞も送ってもらったので、廊下に掲示しました。

<小金井中図書委員長>
「本の説明がシンプルにわかりやすくまとめられているものが多くて、パッと見て内容がイメージできるのがすごいと思いました。ポップの形も四角だけでなく、イラストの形に合わせているものもあり、目をひきました。
何人かで1つの紙に書かれている「新聞」も、イラストなどとてもきれいで、よりその本が読みたくなっていいと思いました。
強いて言えば、暗い背景に黒い文字は少し見えづらかったので、そこを工夫するとより良いポップになると思います!!
今回のように違う学校の作品を見ることによって、新しいアイディアをもらい刺激を受けたので、これからのポップ作りにも役立てたいと思います。」

<他の生徒の感想>
「書店にあるような感じ」
「完成度の高い、凝ったものもある」
「大きいサイズのほうがいろいろ工夫できるが、小さいものも統一感があっていい」
「ドラマ化されたものなど、手に取りやすい本が多い」
「高校生のものは、字体も色合いも文章も流石。グラデーションや、余韻を残す文章がとてもいい」
「トトロの絵がうまい」
「『西の魔女が死んだ』の紹介の仕方がいい」
「『真夜中のパン』の人はジャニーズ好きなのでは?」(と言ってる本人が大変なジャニーズファンです)

本校では、展示したとたんに数冊の本の貸し出しがありました。
この後2週間ずつ順番に回して、3月には自校の作品が戻ってくる予定です。
同年代の他校の様子を知って、来年の図書委員会に新しい展開があるかもと楽しみにしています。 

   東京学芸大学附属小金井中学校   井谷 由紀

次の記事 前の記事