今月の学校図書館
こんなことをやっています!
ドルトン東京学園中等部・高等部のラーニングコモンズ
2026-06-11 13:23 | by 渡辺 |
今月は、ドルトン東京学園中等部・高等部のラーニングコモンズについて、司書教諭の関口真弓さんにご紹介いただきました。壁のないオープンな空間であるラーニングコモンズを中心に、巧みに設計された知の空間での取り組みをご一読ください。
文中最期には、東京・学校図書館スタンプラリーについてのご案内もあります。ご見学が可能な貴重な機会ですので記事をお読みなり“行ってみたい!”という方はぜひお申込みください。 (編集部)
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1. 学校の紹介~ドルトンプランに基づく特色ある教育~
ドルトン東京学園中等部・高等部は、東京都調布市にある開校8年目の中高一貫校です。生徒数は中学1年生から高校3年生まで、約600名在籍しています。ドルトンプランに基づいた「学習者中心」の教育を掲げ、自律した学習者の育成を目指している。主体的に学び、興味関心のあることと真剣に向き合い、探究・挑戦し続ける人を育てる・・・そのためのメソッドが、ドルトンプランの「学習者中心の教育」であり、ドルトンプランを実践する中高一貫校は、日本では本校のみとなっています。 ▲写真①校舎全景
中等部1年から、発信を見据えたPBL(プロジェクト ベイスド ラーニング)型学習や探究型学習に取り組み、「自らの学びを設計し、知識を深め・広げ、発信する」という学びのプロセスを体得していきます。具体的には、対話を重視した授業や生徒が自ら考え判断する機会が多く設けられ、クリエイティビティな活動が展開されているのが特徴です。
2. ラーニングコモンズについて
本校のラーニングコモンズは、校舎の中央に位置しており、壁のない学校図書館であると同時に、オープンスペースを活用した協働学習やプレゼンテーションが日々行われている学びの中心となる場所です。本校のラーニングコモンズは、2か所に分かれており、教室棟のラーニングコモンズを「LC1」、STEAM棟のラーニングコモンズを「LC2」と呼んでいます。


▲写真② LC1 ▲写真③ LC2
3. STEAM棟に新たにオープンしたラーニングコモンズ2
2022年の9月、敷地内に新たに3階建てのSTEAM棟がオープンしました。
既存の教室棟を「学びの場」「座学の場」として位置付けるとしたら、STEAM棟のコンセプトはSTEAMの5つの学問分野に思いっきり浸れる空間「生徒の没頭の場」「創造の場」となっています。
そのSTEAM棟の2階フロアが、新たに完成したラーニングコモンズ2。1階が美術や技術系の学びを展開するクラフトセンター、3階が理科のサイエンスセンターとなっており、1階や3階で学んだ知識をさらに深めたい、ちょっと調査をしたいときにも、自由にお互いのフロアを行き来出来るようなつくりになっています。ラーニングコモンズ2は「知の集積地」としての役割と、生徒の居場所としての機能の両方を併せ持っています。

▲LC2館内図
3つのラウンジと書架エリア、真ん中に芝生のセンターエリアがあります。右上から反時計回りにラウンジ1・ラウンジ2・ラウンジ3が配置されており、ワイガヤの空間から徐々に静かな空間になっていく・・・というゾーンニングをしています。窓側はすべて閲覧席となっており、多種多様な椅子と机があるので、その日の気分や用途によって適した閲覧席を選ぶことが出来るのが、こだわりの一つ。
ラウンジ1は、少人数対応のリラックスできるオープンな空間、ラウンジ2は開閉式の引き戸があり、オープンにもクローズにも使える協働空間、ラウンジ3は静かに学びを深めるクローズな空間となっています。真ん中のセンターエリアは、発信の場であると同時にくつろぎスペースとしても活用されていて、ときには寝っ転がりながら、各々の時間を過ごしている様子が見られます。
館内に10台ある検索用iPadには、ラーニングコモンズのWebサイトトップページを表示させ、蔵書検索を可能としています。また、タブを切り替えるとドルトン東京学園電子図書館「E-Library」にもアクセス出来るようにしており、紙の本で見つからなくても、電子図書館の方に求めている資料があるかもしれず、アナログとデジタルを自由に行き来し、自然と使うことが出来るような仕掛けにしました。


▲写真④ LC2の書架と閲覧席 ▲写真⑤ ipad検索機
4. コンセプトは「つなぐ図書館」
本校のラーニングコモンズで大切にしていることが、「ハブ(HUB)になる」ということです。多様な学びや交流が生まれる場として「学びをつなぐ」「人と本をつなぐ」「学校と地域をつなぐ」ことをビジョンとして、日々運営しています。
l 学びをつなぐ
Ø アサインメント展覧会
「学びをつなぐ」架け橋の一環として、各教科に呼びかけ、前期・後期に出したアサインメントと生徒の成果物をLC2の館内に常設展示をしています。
本校の学びの中核を担うアサインメントとは、学習内容(単元・テーマ)ごとに用意されていて、学習の目的や到達目標、学習の方法と手順、さまざまな課題の内容が具体的に示されている学びの設計図です。(シラバスを発展させたもの・・・というとイメージ)これにより、何を・どのように学んでいくかが把握できるようになり、生徒自身で自分に合った学習プランを設計することができるようになっています。
中学・高校は教科制の為、各教科の学びが見えにくい。そうすると中々、横のつながりや教科連携をしにくい現状があり、それを打開するための仕掛けとして、2022年度から実施しています。
ありがたいことに、この呼びかけに先生方も積極的に参加してくださり、ほぼ全教科のアサインメントと生徒の成果物が揃っています。教員向けだけではなく、生徒にとっても、来年はこんな学習をするんだということがわかり、良い刺激になっている模様。
写真⑥は、「現代版『伊勢物語』をつくろう」というアサインメントで、伊勢物語を学習したあとに、グループで「歌に合わせてどんなストーリーができるか?」という視点で、現代版「伊勢物語」を考え、巻物にしたものです。写真⑦は「おすすめの絵本を紹介するポスターをつくろう」という英語科のアサインメントでした。


▲写真⑥ アサインメント展示 ▲写真⑦ アサインメント展示
運営する中で大事にしていることは、大人だけでなく生徒も創り手であるということ。そのため、ラーニングコモンズの運営に図書委員会の活動は欠かせません。
Ø ビブリオトーク交流会
鳥取県の青翔開智中高メディア委員会と本校図書委員会が、オンラインビブリオトーク交流会を開催しています。この企画は本を通じて交流を深めようと、2024年度から始まった企画。3つのブレイクアウトルームに分かれ、最近のイチ推し本を紹介し合ったり、お互いの学校生活や委員会のことなどをざっくばらんに話しました。実際に会ったことがなくても、本を通じて繋がれることを、この企画を通して実感できます。 ▲写真⑧ ビブリオトークのようす
普段本を借りない層に、ラーニングコモンズへ足を運んでもらうにはどうしたらよいか?さらに本を借りてもらうには?という課題意識から、このバレンタイン企画が生まれました。
ちょうどバレンタインの時期であった為、2月の1週間「バレンタインweek」と称して、その期間に本を借りに来た人は、図書委員からおすすめ本の紹介とチョコレートをもらえるという画期的な企画で、この期間の貸出数は毎年3倍に。2022年から開始し、「人と本をつなぐ」をモットーに年々進化している大人気企画です。


▲写真➈ バレンタイン企画生徒作成ポスター ▲写真⑩ バレンタイン企画おすすめ本おみくじ
生徒たちが自発的に取り組む中で、LCのガイダンス動画や利用案内の冊子も生徒たちが作成しています。上手くいかなかったことも含め、ここでは書ききれない取組みもたくさん。ぜひ一度本校ラーニングコモンズにお越しいただければと思います。
◆東京・学校図書館スタンプラリー参加のお知らせ◆
本校は7/24(金)10:00~15:00の日程で、ラーニングコモンズを一般公開いたします。実際にご見学いただける機会ですので、皆様お誘いあわせのうえどうぞお越しください。
参加申し込みFormはこちらです→https://forms.gle/XczKujqHnJvvdsaG8
(ドルトン東京学園中等部・高等部 司書教諭 関口真弓)



















